新しい魚の水合わせ

 新しい魚を水槽に入れる際「水合わせ」という作業が必要になる。水槽の水を少しづつ入れる作業に時間がかる。面倒くさいと思って適当にやると、魚を死なせてしまうこともある。水合わせは大切な作業だが、これに関する情報がほとんど無い。そこで、失敗せず効率よくできる方法を検討してみた。

1/4換水法による換水結果のグラフ 左のグラフは1/4換水法(20%の水を入れ替え)を繰り返した場合の、新しい水の割合の変化を示したものだ。後半が寝ていて、回数の割に新しい水の割合は増えていかないことがわかる。魚への最大換水負荷を20%とすると、7回目でようやく魚を放つことができて、換水ごとの慣らし時間を10分とすれば70分もかかってしまう。

 

新しい水が20%ずつ増えるよう調整した換水結果のグラフ これは、換水負荷が20%一定になるように換水量を調整したものだ。新しい水が20%一定の割合で増えるから、4回換水するだけで水合わせ完了となる。これは次の割合で水を入れ替えていけば実現できる。

 1回目:20%の水を捨てて、水槽の水20%を追加。
 2回目:25%  ”
 3回目:33%  ”
 4回目:50%  ”

 

 

ペットボトルで自作した20%換水用の計量容器 換水のための容器は、計量が正確にできるものが必要だ。大型のペットボトルを加工して作った容器でも十分実用になる。これに上記換水割合に相当する500,400,375,335,250mlのラインをマジックで引いておく(500mlを基準水量とした場合)。写真はこのようにして作成した専用容器。

 水の計量は計量カップもいいが、クッキング用の計量器で重さを見ながら調整すると簡単にできる。

 実際に水あわせをする場合は、買ってきた魚を換水容器に水ごと移して、500mlを越える分は捨てる。そしてそのまま水槽に浮かべて温度あわせをしたのち、上記の換水を実施すればよい。新しい水を入れたら沈没しないように水槽に浮かべておき、10分経過したら次の換水を行う。これでほとんどの場合問題なく水あわせができるはずだ。

 

 もしショップでもらった水が500mlに満たないときは、上記の換水手順を実施する前に水槽の水を追加する形で水あわせをすれば問題ない。

 この換水法は、水槽のほとんどの水を緊急に入れ替える場合にも役立つ。例えば、60cm水槽で水深25cmを基準とした場合、水換えの目安水位は、20cm , 18.8cm , 16.8cm , 12.5cm となる。定規を持ってきて、この水位にマジックで線を書いておくとやりやすい。

 なお新しい魚を水槽に入れると病気や寄生虫を持ち込む可能性がある。魚を購入してきたら病気が蔓延したを参考にトリートメントを忘れないでほしい。

 

<参考購入先>
水合わせキット 今では便利な道具があります