水槽のセットアップ手順(汽水編)

 ミドリフグを飼うために30cm水槽をセットアップする機会があったのでその手順をご紹介します。水槽を新規にセットする際の参考にしてください。以下の記載内容を実際に実施する場合は、あくまでご自身の責任において行ってください。
 以下の経緯と結果は当方の水槽で確認されたもので、他の水槽で同じように実施しても記事通りにならない場合がありますのでご了承ください。

 

水槽のセットアップ (2000/7/10)

 塩水の環境では淡水より大な濾過面積と酸素供給の確保が必要になるようだ。今回使用した水槽は底面フィルタ(水中モータ)+上面フィルタのハイブリッド式で、小さい容量ながら高い濾過能力を発揮できる。ハイブリッドといっても濾過のほとんどを底面フィルタが担うので砂はできるだけ多く使う。

底面フィルタのセットアップ

 汽水の場合、砂は大磯砂(塩酸未処理品)もしくは珊瑚砂が適している。今回は珊瑚砂を使い、粒子の大きなものを底面に2~3センチ敷いて、その上に細目を2~3センチ重ねた。砂の敷き方はセオリー通り、吸水口付近が最も厚くなるように傾斜を付ける。砂の厚さは合計すると4~6センチとなり、吸水口付近では7センチくらいになる。吸水口に向かって傾斜をつけるのは、全体の水の通りを均一化する意図がある(平坦だと抵抗の小さい給水口付近だけ良く吸う形になってしまう)。

※底全体に空間を設けた底面濾過式の場合は、傾斜を付ける必要はない。

 

上面フィルタのセットアップ

 濾過の増強に上面フィルタを使う場合は、以前書いた洗車スポンジ濾材+セラミックリング+ネットの標準構成(後述のリンク参照)に従ってセットアップする。

アクセサリの配置

 珊瑚砂を使った場合の水槽アクセサリは、珊瑚や珊瑚岩、大理石など石灰質のものを使うといい。

水の準備

 幸い海が近いので海水を採取して、ボーメ度計を使ってボーメ度(near=塩分濃度)1.0に調整し、水槽に入れた。天然採取の海水はやや濁っているが、そのまま使用してかまわない。ちなみに天然海水のスペックは、PH=8.0,KH=5,ボーメ度3.3だった。

バクテリアの移植

 この水槽は長いこと薬浴用に塩分濃度0.3%で回していたので砂や濾材には塩水で活動するバクテリアが付いている。ボーメ度1.0に調整した塩水を使って砂を洗い、そのニゴリ水を新しい水槽に加える。水は濁っているが、すぐに澄むので気にする必要はない。
 上面フィルタには洗車スポンジ濾材を詰めていたのでこれをそのまま流用。洗車スポンジ濾材はレンガ色に着色しており、淡水に発生するバクテリアとは色が違う。

パイロットフィッシュの投入

 汽水では適当なパイロットフィッシュがいないので、いきなりミドリフグを1匹だけ入れる。ヤマトヌマエビが意外にもこの塩水に耐えるが、しばらくしてフグに喰われてしまったため長期生存可能かどうか不明になってしまった。ネットの情報によるとアサリでも良いらしい。

濾過が完成するまでの管理について

 海水の場合、濾過の立ち上がりにおよそ6ヶ月かかることが経験的に知られている。汽水の場合はそれほど長くはないと思われるが、全く新規に立ち上げる場合は淡水の数倍はかかると予想される。さらに、適当なパイロットフィッシュがないことから、亜硝酸濃度に気を使いつつ、不定期の換水や給餌制限を長期間にわたって根気よく続けていく必要がある。水槽立ち上げの難度はやや高い。

安定後の管理

 汽水では藻類が発生しにくいうえ、水草も育たないことから硝酸塩が貯まる一方になる。硝酸塩の蓄積を防ぐ工夫がなければ、硝酸塩濃度が危険値を越えないよう、定期的に換水しなければならない。

 


 

導入後の様子 (2000/7/11~)

2000/7/11

yobi1 水中をただよう細かい粒子が底砂に吸着されて水が澄んできた。水がすぐ澄むのは底面濾過の特徴。現在の水質は、PH8.0、亜硝酸=若干検出。亜硝酸レベルが早速あがってきている。給餌は必要最小限、3日に一度アカムシを少量与えることにした。

 

2000/7/13

亜硝酸レベルが0.8mg/Lに到達したため1/2換水を実施。亜硝酸レベルの上昇が早すぎる感がある。これは、投入した珊瑚石灰岩に付着していた有機物のせいかもしれない。そこで珊瑚岩をとりだして煮沸し、ブラシで丁寧に洗浄してみた。

2000/7/16

亜硝酸が全く検出されなくなった。試しにアンモニア濃度を測ってみたが、これもゼロだった。ということは、濾過が立ち上がったと判断される。フグの色も、背中まで黄色くなって調子が良さそうだ。にわかに信じられないが、今回の立ち上げはセットアップから約1週間という超短期間で完了した。

 

まとめ

 今回立ち上がりが早かった理由は、底砂をたっぷり使ったこと、0.3%塩水で回していたバクテリアを移植したことにあると推測される。初期状態で亜硝酸が大きく上昇した原因は、フグの排泄物ではなく、珊瑚岩に付着していた有機物が原因とみられる。
 汽水水槽を立ち上げる際は、いきなり所定の塩水濃度で立ち上げると適当なパイロットフィッシュがないので時間がかかる。今回のように最初に0.1~0.3%程度の薄い塩水でアカヒレやブラックネオンなどをパイロットフィッシュにして塩水活動性のバクテリアを増やしておき、濃度を上昇させる方法が有効のようだ。

 

<参考購入先>
珊瑚砂一覧
底面フィルター一覧 汽水水槽は必ず底面フィルターと珊瑚砂の組み合わせでセットアップしてください
水槽一覧 できれば蓋付の水槽を選択してください
水槽に蓋がついていない場合に必要です。ガラス製のものを選んでください
人口海水一覧
ボーメ計 水の濃度検査に必須です
亜硝酸試薬一覧
ミドリフグ 保証有 ミドリフグの生体

<関連記事>
濾過システムの標準構成