貧乏舌と幸福感

 美味しいものを食べ続けると舌が肥えてくる。学生時代、ロッテリアのチーズバーガを初めて食べたときは「こんなうまい食い物があったんだ」と感激したのを覚えている。学生食堂のカレーが1皿180円だったから、1個200円を超えるチーズバーガは高価な食べ物だった。

 その後、モスバーガと出会って感激した。モスバーガーの味に慣れると、不思議なことにロッテリアのチーズバーガが最初ほど美味しく感じられない。たまにマックやロッテリアで食事をする機会があると「何でこんなものに感激したのだろう」と思うことがある。「味が落ちたのか」そう思ったこともある。

 

 社会人になると、出張先や接待などで高級料理を食べる機会が生じる。より美味しいものを口にする経験が重なるにつれて、食べ物で感激する機会も少なくなってきた。

 先のお盆休みには鳥羽の相差に泊まり、ヒラメや伊勢エビ、アワビなど海の幸を食べてきた。相差の旅館を訪れる機会が増えるにつれ、最初は喜んで食べていた料理も、おいしいと感じなくなってきた。

 相差の旅館はどこも近所の魚市で仕入れた材料を切ったり焼いたりして出すだけだ。だから、どこに泊まっても出てくるものや味に大きな差はない。それに、新鮮な食材は刺身で出すが、ちょっと古くなった物は焼き物や煮物にして出てくる。そのことが、口に入れるだけで直ちにわかるようになってきた。

 

 「舌は肥えないほうが、人生幸せかも」そう思えるようになった。食事をご馳走になったとき、心から喜ぶ姿を見せたほうが相手も喜ぶ。子供にも小さい頃から旨いものを与えてはいけない。

 

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