スポーツカーのトルクウエイトレシオを比較する

 スポーツカーを求める人の多くは、胸のすく加速感やパワフルな走りを期待する。そこでカタログに書かれた最高出力(馬力)、あるいは、最高トルクなどを重要視する。そして、「これだけ馬力が高ければ、さぞやすごい加速をするに違いない」と思う。
 しかし現実は数字通りにならない。同じ280PSのクルマでも、本当に同じかと思うほどパワーに違いを感じることがある。また、ずっと小出力のクルマなのに、意外にパワフルに感じるクルマもある。実際のパワー感は、馬力やトルク以外に、エンジンのギア比や車重が関係する。
 「これホントに280馬力?」そんな後悔をしないために、実際のパワー感を購入前にイメージできるようトルクウエイトレシオと回転数の関係曲線を作ってみた

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 左のグラフは、カタログからエンジンのトルク曲線と車重を拾って作成したトルクウエイトレシオの回転数特性。車重には大人一人分の体重(60Kg)を加算してある。

 グラフの細線はNAエンジン、太線はターボエンジンを示している。目分量で数字を拾っているので、多少の誤差はご容赦願いたい。トルクウエイトレシオは、数字が小さいほどパワフルに走ることを示唆する。

 

※現実のパワー感はトルクウエイトレシオのほかにもギヤ比、フライホイールの重さ、アクセル踏み量に対するスロットル開度などが関係する。このグラフは参考として見てほしい。

 日常では1000~3000回転を多用するから、日常のパワー感を知りたい人はこの回転域で比較するといい。ピークパワー、ピークトルクだけ見てクルマを選んでしまうと、常用域で全然加速しない、信号ダッシュで普通にアクセルを踏んでいるおばちゃんの軽に負ける、なんてことになりかねない。
 そんなことをふまえて上のグラフを観察すると、次のことが見えてくる。

 

レガシィ B4 RSは実用域の低速トルクがまあまあだが、4000回転からの延びがない。一般走行では4000rpm以下で使うことがほとんどなので、実用上は問題なさそう。

R34スカイライン(RB25DE)は、自然吸気エンジンのなかで最もトルクが太い。6000回転以下の領域で使う限り、S2000に勝りそうだ。

VTECエンジンのアコードユーロRやS2000は、6000回転からの延びがある。そのおかげでカタログ上の馬力が大きくなっているが、実用域のパワー感は排気量相応と考えておきたい。一般公道で6000回転以上回すのは高速道路の追い越しくらいか。カタログ値の馬力を発揮する機会は限られている。

250PSのインプレッサ(WRX NB)は、280PSのB4 RSKよりもパワー感が上のようだ。B4は特に3000回転近辺の落ち込みが激しい。このあたりで加速にもたつきを感じるかもしれない。

RB26DETTは、G34GT-Rに搭載されている国産最強エンジン。サーキットではなく一般公道をメインに走ることを考えると、インプレッサやGTRでないスカイラインの方が低回転トルクが充実した好ましい特性のようだ。
 3500回転以下ではさしものGT-Rも、インプレッサやノーマルスカイラインより非力な点に注目したい。また、MC後のスカイラインターボ(RB25DET)は、GT-Rを上回るピークトルクウエイトレシオを獲得しているようだ。

 

 おもしろいのは、1800cc、145PS しかないロードスター(RS 前期型)が、2000cc 210PSののアルテッツァRS200とほぼ同等であることだ。これは体感的パワー感とも一致する。出力(馬力)は、トルクに回転数を乗じたものだから、高回転のトルクが高いほどカタログ上の最高出力は高くなる。ところが、実用域のパワー感、キビキビ感は、4000回転以下のトルクによって来まる。カタログデータの最高出力というのは、あまりあてにならない指標であることがわかる。

 ターボエンジンのパワー感は、非力な低回転域から、急激なパワーの盛り上がりという劇的な変動(グワッとくる加速感)に関係する部分が大きい。スカイライン(RB25DET)のトルクウエイトレシオは決して低くないが、パワー感に乏しいといわれるは、こういったターボ特有の盛り上がりがないことが原因に違いない。

 

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