生ゴミ処理13~実験のまとめ

植木鉢と園芸土で生ゴミ処理ができる。そんな話を聞いたのをきっかけに、園芸土と活性炭を使った生ゴミ処理実験を2000/2~2001/1の期間実施した。下は植木鉢などの容器に活性炭と園芸土を入れ、生ゴミ処理を実施したときのデータ。 期間は。結論からいうと管理が難しいうえ、匂いや衛生面の問題もあり、一般家庭での安定運用はかなり難しいといえる。

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 赤い線が投入した生ゴミの累積重量sm、青の線が初期重量を0とした重量変化dmを示す。すなわち、赤い線と青い線との差分が分解されたゴミ量を示している。減容率は、100×(1-dm/sm)で計算できる。重量変化の方は変動が少ないので測定は時々である。
 冬場はバクテリアの増殖が遅く、立ち上げが難しい。活性炭の減容曲線をみてわかるように、3月末になってようやく分解が進んでいる。

 

【植木鉢は何台必要か】

 私の家から出た生ゴミの総量は、4/22~翌年1/6までの259日間で、約39Kgだった。私の家は夫婦2人だけなので、このような世帯から1日に出る生ゴミの平均は、39/259=0.15 、すなわち、約150gという目安が得られる。

 この負荷量に対し、園芸土と活性炭の二台で処理をしてきたが、夏場は分解が早いため、つねに片方が飢餓状態になっていた。ところが冬場になると、菌の活動が極端に落ち、二台無いと苦しいようである。

 植木鉢は、大人1人に対して1台が目安のようだ。二人で生活している場合は2台とし、夏場は1台のみで運用、2台目は増えてきた残渣の二次発酵に用い、冬場は保温に注意しつつ生ゴミを2台に分配してフル可動するような運用の仕方が適当と考えられる。

 

【植木鉢はどんな形がよいか】

 植木鉢の大きさは12号(菌床10L)が基準。小さいと攪拌時に菌床があふれやすく、大きいと菌床が増える分、攪拌が大変になる。  植木鉢の形状は丸形で、底も丸いものがいい。角があるとそこで菌床が締まってしまい、攪拌が非常にやりずらくなる。  攪拌に使うスコップは細くてできるだけ長いものが使いやすい。

 

【菌は必要か】

 生ゴミ処理機の多くは、専用の分解菌を一緒に販売しているが、生ゴミを分解するために菌が要るというよりは、菌が活動しやすい環境を作ってやることが大切といえる。処理機を置く環境下で自然発生する菌によって分解するのがベストであり、定期的に菌を投入しないと維持できないような装置は好ましくない。このことはアクアリウムで使う濾過装置とまったく同じだ。

 アクアリウムと同じように、生ゴミ処理でも管理によって分解性能は良くも悪くもなる。分解槽内の環境を適切に管理し、菌にとって好ましい環境を維持することが重要といえる。

 

【菌床はなにがよいか】

 活性炭、バーミキュライト、園芸土で実験してきたが、園芸土がもっとも扱いやすく、残渣が増えてきたときの状態もいいようだった。

 

【運用方法】

(1)植木鉢は、必ず日当たりの良い暖かい場所に置く。
(2)人間が食べれる物ならなんでも入れてかまわない。エビやカニの甲羅は入れてもいいが分解に時間がかかる。
(3)ゴミを入れたら、菌床全体をまんべんなくかき混ぜる。
(4)混ぜたときあふれそうになってきたら別の植木鉢(カラの容器でいい)に移動し、二次発酵させる。これは、しばらくすると堆肥になる。

 

【運用上の注意】

・水分は下に溜まるので、深い部分が次第に掘り返しにくくなる。ここでちゃんと混ぜないと減容率が悪くなる。
・スイカやメロンなどの水分の多い物は、菌床に混ぜてしまわずにそのまま表面に置いて菌床を軽く振りかけるような感じにしておくと良いようだ。粉砕して菌床の中に埋めてしまうと水気が大量に染み込み、なかなか質量が減らない。最悪全体がベタベタになって破綻する。
・紙類は分解せず攪拌の邪魔になるだけなので入れないこと。ティーバックなどは破って中身を取り出す必要があるが、面倒ならそのまま燃えるゴミとして出してしまってもいいだろう。
・冬場は何らかの方法で保温する必要がある。その際、水分の蒸発を阻害しないよう注意する。日光を当てて風通しを良くすることが求められる。

 

【課題・問題点】

(1)夏から秋にかけてダニやウジなどの微小動物が大量に発生し、見た目に気持ち悪い。たくさんのハエがたかり、鼻から吸い込みそうになる。
(2)匂いが強い。側にいられないほど酷くはないが、分解がいいときはやっぱり臭う。
(3)攪拌が面倒で力がいる。手に残渣が付くのはいやな物である。スコップは細くてできるだけ長いものを選定すべし。
(4)冬場の保温対策が難しい。処理を続けていくと内部の土はダンゴの塊になって破綻してしまう。そうならないよう、定期的に転地返ししたり、中身を入れ替える必要がある。
(5)処理物が価値を生まない。生ゴミの処理物は悪臭ただよう塊で、ダニやウジが混ざっていることもある。これをそのまま園芸用に利用できないのはもちろん、捨てるにも困ることになる。処理物を園芸に再利用できるというのは幻想に近い。

 

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