【書評】オーディオマニアが頼りにする本

 マニアが突かれたくないところをグスグス突いてくる本だ。内容は良識に欠ける部分もあるが、工学的知識がある人にとっては結構納得できる内容になっている。雑誌だけ読んできた人には理解できず、ただ腹が立つだけかもしれない。

 

 多くのマニアは、工学的知識に乏しく、オーディオ雑誌が有力な情報源となっている。そこで、その雑誌の記事を長年読んでいるうちに、雑誌の評論や、雑誌に描かれているオーディオの世界に染まってしまい、それが正しいと信じ込んでしまう。それはまるで宗教のようだ。

1995年頃の雑誌 Stereo Sound オーディオ評論家や、雑誌のライターもまた、工学的知識に乏しい素人がほとんど。メーカーは自社商品を雑誌で取り上げてもらって記事を書いてもらい、売り上げに結び付けたい。

 必然的に、メーカーは評論家に迎合した商品を作る。これが健全な市場を阻害する要因になっているようだ。

 

 

 評論家は一般に、高価な製品、高価な材料ほど、その実体とは無関係に良い評価を与える。お金がかかっているほど、良いもの「だろう」という、主観が働く。そのような記事をマニアが見て、数百万円もする海外製のコンポーネントにあこがれを抱き、ガラクタ同然のケーブルやインシュレータに大枚はたいてしまう。

 「オーディオマニアが頼りにする本」は、そんな理屈のわからぬ評論家、その素人意見を鵜呑みにするマニア、それに迎合した商品をつくるメーカを、痛烈に非難している。

 

<参考購入先>
オーディオマニアが頼りにする本

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