オーディオマニアはこうして生み出される

 これまでオーディオに関心の無かった人が、オーディオ機器を求めることがある。それは「自分の好きな音楽を、今よりいい音で聞きたい」という純粋な願望が多いのではないか。
 そのときの自分の好きな音楽とは、アニメの主題歌だったり、アイドル曲だったり、おさかな天国かもしれない。

 そこで何らかのオーディオ機器を買って音楽を聴き始めるわけだが、その後、その人たちの行動は次のパターンに分かれる。

 

一般的なパターン

 オーディオ機器のことはまったくわからないので、自分の好きなCDを持って販売店に行く。だいたいの予算が頭にあり、予算内で買えるコンポを店員と一緒に選んで決める。

 買った後満足し、その後オーディオのことは忘れてしまう。ほとんどの場合このパターン。

 

幸運なパターン

 イノベーター理論でいうところのアーリーマジョリティ(Early Majority)がここに来る。この人たちはカタログを収集したり、口コミを見たり、オーディオ雑誌を購入したりして入念な下調べを行う。

 一通り予備知識を得ると、販売店に視聴に出かける。しかし余計な予備知識と先入観が邪魔をして判断ができない。結局、評論家の評価と、価格(高いものほどいい音がするだろう)を基準に選んでしまう。

 最初のコンポを買って帰るが、それは、雑誌ですべての項目に二重丸が付いていたわけではなく、妥協したものである。評論家の意見を基準に買い物をしてしまうと、そのような不満が心の隅につねに残る結果になる。

「これは仮の姿だ。いつかきっと・・・」

 その後、他に興味の対象ができるなどしてオーディオに関する関心が薄れ、雑誌を見ることもなくなる。

 

オーディオマニアになる人

 最初のコンポを買った後、雑誌の評価が気になって不満を抱き続ける人は、いずれ買い換えようと思って引き続きオーディオ雑誌を熱心に読む。読めば読むほど余計な知識が増え、現状への不満が募る。

 雑誌に紹介されている高価なアクセサリやケーブルに興味を持ちはじめ、高価なハイエンドコンポや、評論家が絶賛する舶来製品にあこがれを抱くようになる。

 こうして、泥沼ともいえるオーディオ機器への投資が始まり、本人も気づかないうちにオーディオマニアになっていく。

 

どこで間違えたのか

 「音」という、定量的な評価やデーターがあまりなく主観的な評価がメインの世界で、雑誌(評論家が書く記事)を参考にしてしまったところにある。特にアーリーマジョリティには慎重な人が多いので下調べをするが、ここで間違った知識を得てしまうことが不幸の始まりだ。

 Stereo Soundは海外の高額なオーディオ機器を紹介する雑誌。合理的な知識を得てそれをもとに商品を選び、オーディオ雑誌は読まない。これが、間違った道に進むことを防ぐための有効な方策の一つだ。

 

 

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