接触抵抗と音の変化

よくケーブルで音が変わったという記事をみかけるが、ケーブルが持つ物理特性とその影響を考えると、ケーブルを変えたり、ちょこっといじっただけで、そう大きく音が変わることはないことがわかる。明らかに音が変わったとすれば、システムに問題があった為と考えるのが適当だ。

ケーブルによって音が変わることについて、最も適当な説明は、「端子の接触部分におけるお互いの接触関係が、変化したため」である。新しいケーブルを買ってきて、古いケーブルと差し替えれば、接点の接触状態が変化してしまうことは容易に想像できる。プラグとジャックの接触圧も、製品によってマチマチであるため、これによって接触抵抗が良くも悪くもなる。一般にケーブルを交換すると導体やシースの材料や構造が変わった為と思いがちだが、こういった接点部分の接続関係による音の影響は、導体やシースの材料の差よりも、ずっと大きいと考えられる。

だから、ケーブルの音色をテストするときは、接点をきちんと管理したうえで比較しないと、意味がない。銅線の純度を問題にする場合は、シースの材料や構造も全く同じにする必要がある。スピーカーケーブルの場合は、直流抵抗が最も音色に大きく影響を与える要素であるから、これを統一した状態でテストしないと、なにを比較しているのかわからなくなる。しかも、テストにおいて接触状態をいつも同じにするのは至難である。

電気接点は、R,C成分と、半導体成分の3つの要素でモデル化できる。Rは接触抵抗で、これは接触面の表面荒さや面圧によって容易に変化する。また、外部から振動が加われば、それによって変化することも容易に推測できる。ケーブルには本来振動対策など不要で、振動対策が必要なのは端子の部分である。よく、ケーブルを振動対策したら音が良くなった、という話を聞くが、これは、接点部分の接触が安定したためと説明できる。

スピーカ端子の接触抵抗は、特に注意しなければならない。アンプの出力抵抗やケーブルの直流抵抗が数十ミリオームオーダーなので、ちょっとした接触抵抗でダンピングファクターが簡単に劣化してしまう。しかし、接触抵抗をミリオームオーダーで管理するのは、とても難しい。

ケーブルを端子に接続したら、最低限、チェックすべきことがある。すなわち、プラグをひねったり、いろんな方向から力を加えたり、はじいたりして、ノイズが出ないことを確認するのだ。これが問題なければ、接続に関して、まずは合格といえる。少しでも音が変動する場合は、接点を改善しなければならない。それがどうしても改善できない場合は、その端子はもうダメである。

アンプのスピーカ出力ところに入っているリレーも鬼門である。リレーの接触抵抗は、音響用に吟味されたものでもせいぜい数十ミリオームであるから、十分問題になる数値だ。しかも、この接触抵抗は、リレーがオンするたびに値が変わる。昔、CDを一度入れ直すと音が良くなるとかいう話があったが、アンプについて言えば、2,3度電源を入り切りしたほうが、リレーの接点がなじんでいい音が出るなんて話ができそうである。

 

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