コンタクトオイルのテスト

コンタクトオイルが手元に揃ったので、性能テストをすることにした。今回用意した接点復活グッズは、写真のようである。

setten1左から、CRC、サンハヤトの接点復活王、エレクトロルーブ PLUS 2AX、SETTEN No.1、コンタクトZ(HBの鉛筆)である。このほかに、モリコート HP-500も用意した。
CRCはどこのホームセンターでも売っている安価な防錆潤滑オイルだ。接点復活王は最近登場した高性能コンタクトオイルで、ほぼ100%のポリαオレフィンから成る。エレクトロルーブは過去定評のあったコンタクトオイルで、現在は手に入らない希少な一品である。SETTEN No.1はスクワランオイルに炭素の粉末を混ぜた某研究所の有名なコンタクトオイル。HP-500はパーフロロポリエーテル(フッ素オイル)をベースにフッ素樹脂で増稠した超高級グリースで、一般には入手困難である。

接触抵抗の測定は、1ミリオームまで計れるデジタルテスターを用いた。抵抗のゼロ点は接点同士をハンダ付けした状態で合わせている。短絡状態でどの程度の電流が流れるかは、定かではない。
実験に使う試料の形状は、平面と球面、突面(あるコネクタのオス端子先端)の3種類を用意した。これらはいずれもニッケルメッキされたものである。実験は平面に対して球面、あるいは突面を当てるようにした。面圧は、手動で軽く当てる程度とし、出来る限り力を均等にしている。

コンタクトオイルは塗った後軽くふき取るようにしている。コンタクトZの場合は、出てきた粉をふき取って光沢面を得ている。オイルを付けたら完全に脱脂洗浄を行い、元通りの接触抵抗になっていることを確認してから次の測定を行う。コンタクトZは一度施工すると元通りにならないので、最後に測定を行った。

測定結果は以下の通りである。

setten2

細い線はパラ付きの範囲を示し、黒点は中央値を表している。球面を当てたものは数字のパラ付きが大きくてなかなか安定しない。何度も測定して、だいたいこの程度だろうというレンジを記入している。

オイルを塗ると何もない状態よりは確実に接触抵抗は安定する。これは潤滑作用により接触が安定すること、ごく薄い皮膜の部分で導電が得られるためと考えられる。

基本的にオイルだけのものは、安物のCRCだろうがオレフィンだろうが初期性能はすべて同じであることが注目点である。長期的な持続性にオイルの差が現れてくると考えられる。

コンタクトZは黒鉛の粉末に導電性があるため、オイルより良好な結果を得ているが、SETTEN No.1にはかなわないようだ。SETTEN No.1は文字通りNo.1の成績を収めた。コンタクトZは施工と同時に表面を研磨するため、酸化被膜のある場合は劇的な効果を示すが、そうでない場合は、粉末の導電作用だけとなる。

SETTEN No.1にはおもしろい性質がある。オイルの表面張力につられ、炭素の粉末が接触点に向かって集合するのだ。例えば、SETTEN No.1をポチョンと垂らして、接触子をあてると、あれよあれよというまに接触抵抗が下がって、ほぼゼロになってしまうのである。これが、コンタクトZが負けた原因である。この作用を上手に説明すれば、パテントが取れたかもしれないだろう。

今回の実験では他のオイルと同様にふき取っているが、わずかに残ったオイルと炭素の粉末で似たような現象が起きていると推測できる。

グリースの場合はよくふき取らないと、増稠材が絶縁物となって接触抵抗がかえって増してしまうことも確認できた。グリースは面圧が高い部分に適しているといえる。同じ理屈でオイルを使った場合でも、接触圧が低い場合や導電ゴムのような金属製でない接点の場合は油膜が切れず、かえって接触抵抗を増大させてしまうので注意が必要である。

 

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