ケーブルで音が変わるのはなぜか1~電気接点の影響を考察する

 ケーブルはL,R,Cの成分をもつ。2つのオーディオ機器をケーブル(電線)で繋いだ時のケーブルの影響は、機器の出力インピーダンスよって左右される。オーディオ機器の出力インピーダンスが大きいほど、ケーブルがもつL,R,Cの影響が顕在化する。
 反対に、出力インピーダンスが十分小さい場合は、ケーブルの影響はほとんどない。スピーカーをパワーアンプに繋ぐケースでは、アンプの出力インピーダンスが非常に小さいため、L,Cの影響がなくなってRだけが関係する形になる。

 

 ピンケーブルの場合は、一般に機器の出力インピーダンスがケーブルのRよりずっと大きいため、Rの影響は小さく、主にL,Cの成分が影響してくる。それは高域のレベル低下として現れるが、ピンケーブルは長くても数メートルであり、その影響が顕在化するのは数百kHzのオーダーである。すなわち聴感上ケーブルの影響は限りなくゼロであり、世間で言われているような音が変わることはあり得ない。

 ところが、一般のピンケーブルはハンダ付けではなく、プラグとジャックの組合わせで接続されるから、そこに電気接点が存在する。プラグと端子を接続した状態の等価回路の一例を下に示す。

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Rp,Rtは導体のインピーダンス、Cp,Ctは絶縁体の静電容量、Rp,Rtは絶縁体の絶縁抵抗である。これらはプラグや端子の作りによって決まるが、ローコストなものでもオーディオの帯域で問題になるようなことはまずない。Ccは接点に存在する静電容量だが、一般にきわめて小さい為、オーディオ帯域に関係することはありえない。

Xc は半導体成分であり、接点に存在する酸化物や異種金属との接触、汚れ等によってその特性が変化する。Xcは理屈上、音色の変化を説明できる唯一の存在である。Xcは接点が理想的な結合のとき導体として振る舞うが、接点が腐食してくると半導体としての振る舞う場合がある。

 

 

雑誌の比較記事は参考にならない

 雑誌等に見られるピンケーブルの比較記事は、スピーカーの場合はケーブルの抵抗、ピンケーブルの場合はプラグとの接触の差を聞いているだけに見受けられる。ケーブルを比較する場合は、誤差要因となる「接触の影響」を無くさないといけない。これはプラグを切り取って端子にハンダ付けするのが最も確実だ。

 

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