ガステーブル選びの勘所

 ガステーブルは家庭で欠かせない調理器具である。IH式のものもあるが、ランニングコストが安く価格も手頃なガステーブルは多くの家庭で重要なアイテムである。私のところにあるガステーブルは既に5年経過しており、かなり傷んできたため、買い換えを検討している。ところがガステーブル選びに関しては、ほとんど情報がない。そこで、今回はガステーブル選びに関して考えた結果をまとめてみた。

五徳
 五徳はガスコンロを使うと真っ先に汚れる部品である。高温になるため、汁や汚れが付くとすぐに焼き付き、手入れをしていないと汚れで真っ黒になってしまう。長いこと手入れしていないと、水酸化ナトリウムを使っても取れないことが実験でわかっている。
 最近リンナイやハーマンなどから、五徳の外枠が丸線になっている製品が出た。これは汚れが付きにくく手入れもしやすいが、この五徳が付く機種は少ない。
 五徳は大抵部品で入手できるから、手入れにこだわらず消耗品として割り切るのも手である。

テーブルトップ
 テーブルトップに関しては、表面の素材(加工)、形状の2点がポイントとなる。
 表面に関しては、今ではフッ素加工が当たり前で、高級機ではステンレスやガラスを使った製品もある。
 現在ではフッ素加工が主流だが、所詮塗装であることから、寿命がある。長く使っていると汚れが落ちにくくなり、次第に剥げてくる。縁の部分は塗装が薄いため、下地が錆びて膨れが発生する(写真下)。
conro1 ガラストップは高価だが、表面が堅く劣化しない為、割れだけ気を付けて使えば寿命はほぼ半永久と考えていい。
 ステンレストップは表面が丈夫なため、キズさえ気にしなければ何とでも手入れできるのが魅力だが、機種が少ないため選択肢が狭い。
 ガラストップやステンレストップなら長くレンジを使えると考えがちだが、そうはいかない。レンジの多くが鋼板で出来ているため、フロントパネルが錆びてくるのである。これについては、フロントパネルの項で詳しく述べる。

 

 テーブルトップの形状に関しては、煮こぼれに対するプールの容量と、フロントのオーバーハングに注目して欲しい。
 煮こぼれた水がテーブルトップから溢れてフロントパネルに垂れると、錆の原因になる。テーブルトップに関しては、煮こぼれた水が外に溢れないよう、若干の段差を形成したものが多いが、この段差によってできるプールの容量が大きいものが望ましい。
 また、煮こぼれた水が垂れた場合、フロントパネルに付かない為には、出来るだけテーブルトップの端面が前に張り出していて、フロントパネルが引っ込んだ形になっているのがよい。

煮こぼれ対策
conro4 煮物が煮こぼれたとき汁受け皿が活躍する。これは高温にならないため五徳ほどは傷まない。アルミ製の使い捨て皿が市販されており、これを併用していれば5年使っても汁受け皿はほとんど傷まないことを確認している。

 煮物のほとんどは塩分を含むため、煮こぼれた際バーナーの下に浸透したり、本体の内部に入ってしまうと大きなダメージを与える(写真左)。バーナーところに小さな汁受け皿を付けたものがあり、このような機種を選ぶのもポイントといえる。

 
プロントパネル
conro2 フロントパネルに穴をあけてスイッチ類を出している物は、汁や汚れのたまりやすいエッジ部で錆びが出る(写真左)。フロントパネルは亜鉛メッキ鋼板に塗装したものだが、家庭で使う調味料には塩分が含まれており、塗装には耐湿、耐塩が要求される。しかし、レンジの多くがそんな良い塗装をしていないのである。
 従って、高価なガラストップの製品をフンパツして買っても、パネルや操作部が錆びて問題が起こるようになり、この点で寿命は他のレンジと同じになってしまうのである。

 

 このような劣化を防ぐためには、ナショナルの電子式ガステーブルのように最初からフロントパネルに溝や穴が無い物か、上述したようにテーブルトップの形状に工夫がしてある物が有効である。

 店頭でフトントパネルの作りを見る際は、グリルを引き出して左右のエッジがどのように折り曲げ加工されているか観察してほしい。エッジの部分は塗装が薄く錆びやすいので、出来るだけエッジが見えないよう奥まで折り曲げているものがよい。これはスイッチ周りにしても同様のことがいえる※。
※最近パロマから出た上からグリルの内部が見えることを特徴とした製品は、パネル底部の折り曲げ加工に相当無理している。

電池ボックス
 電池ボックスに煮こぼれの汁が付くと即ダメになるから、これが塗れにくい構造になっている物を選ぶ。これは引出し式のスライドになっていて、電池と表面との間に空間が開いているものであれば問題ない。電池がスライドごと内部で専用のボックスに隠蔽する構造になっているであれば、なお良いといえる。 スライドになっていても、内部で電池が大きく露出していて煮汁を被りやすかったり、カバーを開けるとすぐ電池が見える構造のものはダメである。

排気ダクト
 グリルの排気ダクトは、ユーザー側で満足なメンテが出来ない部分である。最近のコンロは煙が少なくなっているが、それはダクトで油煙などのミストをトラップしている為であり、その汚れはコンロの中に蓄積されていくのである。ガスコンロは所詮消耗品として考え、これは割り切って使うしかないだろう。

あると便利な機能
 あると便利なのは、天ぷら油の自動温度調整とタイマー類である。油の温度管理は難しいのでぜひ欲しい機能といえる。
 グリルタイマー、キッチンタイマーがあると、焼き加減を気にせず、他の作業に専念できる。グリルが両面焼きになっているものは、ひっくり返す手間がなくなり、タイマーと併用することで完全に任せっきりにできる。

お勧めの機種
 ガスコンロに対する金額の上限は3万円前後である。ガスコンロは所詮消耗品で大切に扱っても5年くらいで寿命がきて破棄となるため、これ以上高額なものを買うのは勿体無い。できるだけ長持ちさせるためにトップ形状とバーナ汁受がしっかりしているものを選ぶのがポイントである。