アンプの音は何によって決まるか

アンプの音は、アンプのDF(ダンピングファクター)が大きく影響する。アンプの抵抗負荷による周波数特性は、通常20Hz~20kHzの範囲がフラットであり、「どのアンプも一緒」だが、スピーカを負荷につないだ場合は、DFによって応答のほかにもスピーカの特性が変化する。これが、アンプによって音が変わったり、相性問題が発生する理由である。
DFはスピーカの駆動力(制動力)と比例関係にある。一般にDFは高いほど制動の利いた締りのある(悪く言えば、色気のない、つまらない)音になり、入力信号に対して忠実になっていく。DFが低いと、響きの豊かな(悪くいえば間延びした、余計な付帯音の多い)音になる。一般に行われているアンプの比較視聴では、単にDFの違いによる音の傾向の変化を聞いているにすぎないと、私は見ている。

DFが低いとf0付近の音圧レベルが上昇し、低音が豊かに響くようになる。「真空管アンプには、トランジスタアンプにはない味がある」といわれるのは、DFが低いことも、関係しているだろう。

アンプを選ぶ際、最大出力が決まったら、DFに注目してほしい。アンプの能書きは様々だが、結局は、DFが最も大きな影響を及ぼすのである。
DFはスピーカケーブルの影響を大きく受ける。そこで、ケーブルを含めた総合DFがいくつかを、数字で押さえていれば、むやみにアンプを買い換えたり、無駄な試行錯誤をしなくても済むだろう。

一時期アンプの低負荷駆動能力(電流供給能力)に注目された時期があった。オームの法則通り、インピーダンス半分で出力2倍になることが理想と評され、2ohmまで比例して出力が増大するアンプが賞賛された時期があったが、こういう性能は低音再生や音質に関係しないので考えなくてもよい。
通常スピーカの公称インピーダンスは6~8ohmであり、これはインピーダンス特性の最低値に近い※。だから、使用するスピーカのインピーダンスより低いところでいくら電流を流せるといっても、そういう状況が起こらない以上、メリットがない。
スピーカのf0付近ではインピーダンスが上昇するため、アンプにも出力が要求されるが、この場合必要なのは電流ではなく、電圧の方である。つまり、低音を出すためには、高いインピーダンスの駆動力のほうが、問題となる。これはアンプの最大出力電圧によって決まる。BTL駆動するとこれが一気に倍になるから、もし電圧がボトルネックになっていて低音が出ていない場合は、改善が期待できる。

※2ウェイ以上のシステムでは、最低インピーダンスが公称インピーダンスを下回る場合がある。この場合、公称インピーダンスの20%以内に納めるようにとの、規格があるから、そう極端に低いものはないと考えられる。

 

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