ピンコードで理想的な接続ができるか~その2

前回の記事で、信号ケーブルは「コンタクトの信頼性」と「耐ノイズ性能」の2つが重要であり、その他の要素は音に関係しないことを述べた。コンタクトの信頼性はコネクタで決まり、耐ノイズ性能は、信号ケーブルのシールドによって決まる。

オーディオ用の信号ケーブルにはピンケーブル(RCA)と、バランスケーブル(XLR)の2種類がある
XLRのコネクタはITTキャノンとノイトリックが有名であり、接続の信頼性と安定性は実証済みだから、何も考えずにいずれかを使えばよい。ただ、XLRの金メッキ品はメッキの厚みが非常に薄く(ノイトリックでは0.2ミクロンしかない)、これではメッキしていないのと同じであるから除外すべきだろう。ノーマルグレード(銀メッキ品)はメッキ厚が2ミクロンもあり、信頼性で世間の評価を得ているのはこちらの方である。
RCAコネクタの場合は構造や寸法精度がマチマチであり、信頼性を求めるとチャキング式となるが品質・精度を満たす物は見あたらないのが現実だ。

ケーブルに関してみると、オーディオ用と称して売られている市販品の多くは、音に関係しない導体の純度ばかりが強調されていて、シールドの性能について能書きしているものは少数である。
ケーブルに方向性が存在すると称する商品は論外であり、その真偽はともかく非線形要素を含むことを自ら主張しているようなものである。ケーブルはどの方向で使っても同じ特性であることが、安定でピュアな伝送が出来る証である。

 

オーディオ用ケーブルを合理的に求めるとカナレに到達する。カナレのRCA接続ケーブルに使われている電線(GS-6)にしろ、バランスケーブルに使われている電線(L-4E6S)にしろ、いずれもノイズ耐性を重視した厳重なシールド構造になっている。

ノイズ耐性を突き詰めるとバランス接続がベストになる。バランス接続は、お互い逆位相の信号を送り出し、受け側で作動増幅を行うので、同相ノイズを作動増幅で除去でき、オマケに信号の利得は2倍になるという優れモノだ。アンバランス伝送はシールドだけに頼った伝送方式であり、同相ノイズに対しては無力である。

バランス伝送は周囲にノイズが多い環境や、マイクロフォンのような微少信号を遠方に伝送する場合に使われる。オーディオのバランス伝送は、広い部屋の中でプリアンプを手元に置き、パワーアンプが遠方のスピーカの近くに置かれているような場合に有効だろう。1メートル以下ではよほど粗悪なケーブルを使わない限りRCAとバランスとの差は出ない。

結局、信号ケーブルはバランス接続が可能ならITTキャノン(XLR3-11C)を使ったカナレなどのXLRケーブルを買ってしまえば終わりだ。マニア向けに作られた金メッキの高価なバランスケーブルよりも、厚手の銀メッキがされているこちらの方が性能、信頼性共に上である。

補足:正負の出力バッファアンプを省略しアンバランス信号をバランスケーブルで伝送するだけの「なんちゃってバランス伝送方式」があるようだ。正規の方式より耐ノイズ性は劣るが、キャノンコネクタを使えるので信頼性はRCAより上と言える。

 

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