洗車スポンジ濾材10~水中ではほとんど劣化しなかった

 洗車スポンジ濾材が世の中に普及するにつれ、寿命を気にする声もちらほら聞かれるようになった。実際、ウレタン系のスポンジは屋外に放置しておくと、1年くらいでボロボロになってしまう。この様子から「スポンジ濾材は寿命が短い」と考える人もいる。

 

スポンジ濾材が褐色に色づくのはなぜか

 スポンジ濾材を使って水槽を立ち上げると、スポンジが褐色に色づく。この現象に劣化が関係しているか、考えてみる。スポンジ濾材が褐色に色づくことについて、考えられる仮説に次がある。

 (1)微生物が持つ固有の色による着色
 (2)化学的な分解(加水分解)
 (3)紫外線による酸化
 (4)微生物による生分解

 写真はその検証結果(2年前に実施)。

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  左はポリエーテル系スポンジを裁断してビニールに入れ、冷暗所に保存しておいた新品。
 中央は、透明の容器に水道水と一緒に入れ、蛍光灯が当たる場所に3週間さらしておいたもの。
 右は、蛍光灯が当たる場所(空気中)に3週間さらしておいたもの。

 中央と右のサンプルは隣接して置いたものなので、条件は水浸せきの有無だけ。3週間という時間は、水槽の中で普通に使ってハッキリと色づきを確認できる時間を想定している。

 空気中に置いたものは、かなり変色しているが、水浸せきしたものは、新品と区別が付かない。強度については、どちらも明らかな劣化は認められなかった。

 この実験によると、光源下に置いたスポンジが色づいたのは、(3)の紫外線が原因とみて間違いない。これはウレタン製の低反発枕が褐色になってしまう現象と同じ。

 たとえ光があっても、水中にあれば全く変色しないことからすると、濾材に使ったスポンジが着色するのは、(1)のバクテリアによるものと考えて間違いなさそうだ。

 

水中でスポンジの加水分解は進むか

 (2)の加水分解は濾材の寿命に関係しそうだ。ウレタンのスポンジを屋外に放置しておくと、1年くらいでボロボロになってしまう。これは、空気中では紫外線や酸素(オゾン)が同時に作用して急速に劣化が進行するためとみられる。

 しかし水中ではどうだろう。最初に作ったウレタン濾材は、もう3年以上問題なく使えている。劣化の速度は、空気中にある場合に比べるとかなり遅いようだ。それは、水中では劣化を促進する要因、つまり紫外線や酸素が少ないためと推察する。

 

水中でスポンジは生分解するか

 (4)の生分解はどうだろう。スポンジは有機物だから、これを分解して炭素源にする菌類がいても不思議はない。土中に埋めた場合は急速に生分解するかもしれない。

 しかし、3年使った濾材を観察しても、微生物によって分解された痕跡はない。通常、炭素源やエネルギーといった栄養源は、利用しやすい物から消費される性質がある。炭素源については、水中のCO2をはじめ、スポンジの中にはバクテリアの死骸が豊富にある。

 スポンジを分解しなくても、こういったものから容易に得ることができるから、スポンジの生分解はほとんど起きないものと推察する。

 

スポンジの劣化は材質によって違う

  一口にスポンジといっても様々な素材がある。私が勧めているポリエーテル系のスポンジは、吸音材にも使われていて空気中では比較的に劣化の少ない素材の一つだ。

 

スポンジ濾材は詰まらなかった

 昔は「スポンジ濾材は詰まってドロドロになる」という意見があり、誰も積極的に使おうとしなかった。

 サイコロカットしたスポンジが詰まらないことは、これまでのレビューで実証してきた。当然のことだが、プレフィルタを付けていないとドロドロになってしまう可能性は高い。それは濾材の問題ではなく、間違った使い方をした結果だ。

 いずれにせよ、私がスポンジ濾材を世に紹介してもうすぐ6年になる。早く始めた人はそろそろ5年目を迎えているだろう。今では多くの方が実践しているようだ。このサイトでご紹介してきたことは、多くの人の手によって検証されていくと思う。

続き>>洗車スポンジ濾材11

 

<参考購入先>
濾材一覧 能力と価格は関係ありません
スポンジ系濾材

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