日当たり良好は劣化も良好~木造の外断熱は合理的か

今流行りの外断熱とは本来RCに対する施工方法であり、木造に関する外断熱は、「外貼断熱」であって、両者はまったく違うものだ。RCの外断熱はRC自身を蓄熱体として活用することが主眼にあり、外貼断熱は単に断熱材が外壁側にくっついただけである。
 RC外断熱には次の特徴がある。

  1. RCの寿命が伸びる
     RCの外断熱はRC自身を太陽光や酸性雨から遮蔽するのでコンクリートの中性化や風化を防ぎ、RCの寿命を伸ばす効果がある。
  2. 外壁の寿命が縮む
     外断熱に使われる外壁は熱容量が少ない分、激しいヒートサイクルにさらされる※。したがって、RCが長持ちする代わりに、外壁の痛みは激しい。

     ※外壁温度の変動Δtは、内断熱25℃、外断熱38℃というデータがある。

  3. 空調にかかるコストは内断熱と同じ
     空調熱負荷は、上記の文献にもあるように外断熱も内断熱もほとんど変わらない(理論的には壁や断熱材の厚みが同じであれば断熱材の前後を入れ替えても変わらない)。
     空調コストを減らすには、熱線反射率の高い屋根や外壁材を用いたり、熱線をさえぎる工夫(庇の設置など)をしないと効果がない。RCではよく屋上が活用できることを売りにされるが、省エネを考えるとお勧めできない。
  4. 輻射熱による快適性は期待
     RCを蓄熱体として活用したときの輻射熱による快適性は、それなりにあるだろう。RCは地面にアースされているので、室内の温度変化は内断熱より少なくなると予想される。
     内断熱では断熱材を挟んでいるものの、コンクリートの温度が大きく変わるため熱輻射が完全に無視できない。RCの家が夏暑く、冬は体温を奪われるような寒さを感じるのはこの為だ。

 いずれにしても、家を長持ちさせ、光熱費を減らしたいと思ったら、日当たりをある程度犠牲にする考えも必要だ。世間では未だに日当たりが重視されているが、今後は、強烈な太陽光と酸性雨の防御が課題になるだろう。
 「日当たり」、「風通し」は、住宅の性能が低かった時代において大切な立地条件だったが、高気密&高断熱が一般的になった現代では、日当たりは採光に関係するだけであって、最優先に考える必用はなくなったように考える。

※太陽光の入射エネルギーは、角度や反射率によって異なるが約1kW/m2である。

<関連商品>
危ない外断熱の家
家作りに役立つ本