知られざるハイパワーターボ車のストレス

インプレッサのSTiに試乗して、久しぶりに高圧縮ターボの問題を思い起こした。ターボエンジンはだいたい排気量1L増しに相当するピークパワーが得られるが、その代わり低回転トルクがとても細い。これは、エンジンの圧縮比が低く、しかもマフラーのヌケを良くしているためである。この傾向は小排気量で馬力を稼いでいるものほど強く、ブーストが効かない低回転では、NAと違ってアクセルを踏み足してもほとんど反応しない。

ハイパワー車を所有していて、日常最も感じる(感じたい)優越感といえば、信号スタートにおける余裕ではないだろうか。他車と同時にスタートして、余裕を持って前に出る。後のクルマからすれば、「おおッ、さすがにスポーツカーは速くてカッコイイな」そう思われたいはずだ。ところが、ターボ車を買うとその逆になってしまうケースが多い。

私は過去、R32のGTS-tに乗っていたが、低回転トルクが細いクルマだった。信号スタートで普通に発進した時の出足が遅く、1.5Lクラスの乗用車はおろか、軽にも遅れをとる有様だった。スタートで他車より前に出るには、あらかじめ回転を上げておいてクラッチをつなぐか、踏み込みを通常より多くしなければならなかった。

結局ターボの利点が生きるのは、高速道路など速度(回転)を落とさずに走れる場合であり、この場合は確かにターボが付いていると気持ちがいい。しかし、ゴーストップの多い町中を走る場合はターボのデメリットが目立ち、より排気量の小さい、価格の安い車に置いて行かれるばかりである。

結局、公道を走ることを前提にすると、絶対的なパワーやトルクよりも、低速トルクが太い方が乗りやすく、発進加速に優れ、満足を得やすい。高回転でパワーを発揮するエンジン、例えば小排気量のVTECやターボは、回せば確かに気持ちが良いが、燃費や騒音のことを考えると、のべつ高回転を使うわけにはいかないのが現実だ。
回すことでパワーを発揮するエンジンは、「回さないと真価を発揮できないエンジン」と言い換えることが出来、そのほうが実態に合っている。
「自分の車は、速いんだぞ、すごいポテンシャルを持っているんだぞ」と思っていても、常用回転域が非力で、軽にも遅れをとるのでは、不満が募る結果になりがちだ。

 

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