タイヤ空気圧のマジック~空気圧を変えると走りはこんなに変わる

タイヤの空気圧を変えるとこりがり抵抗係数が変化する。これが、どの程度の動力性能に影響するか、調べてみよう。
ころがり抵抗力Rは、

R=9.8μ・m (N)   μ:ころがり抵抗係数、m:車重(kgf)

である。ここで、一般舗装路のμを0.015、m=1400kgf、タイヤ径を640mmとすると、R=205.8N、損失トルクは、65.9Nmとなる。

タイヤ交換の際、タイヤの空気圧を高めにして!というと、規定値より+20kPa(約1割り増し)となる場合が多い。空気圧が規定値から1割増すと、μが最大1割低減する。このときの損失トルクの差分は、65.9×0.1=6.59Nm(max)となる。この値は、こちらの記事で、ホイールを10kg軽減した場合の損失トルクにほぼ等しい。

※実際1割もあがらない場合が多く、いくつになるかは、タイヤや条件により異なるようだ。

 

損失トルクの低減効果が同じでも、軽量化によるものと、ころがり抵抗を低減したものとでは、全く性質が異なる点に注目したい。質量は加速したときしか関係しないが、ころがり抵抗力は、加速度、速度に依存せずつねに関係する。ホイールを軽量化した効果は、加速度が高いときしかわからないが、空気圧の効果は体感しやすく、ゆっくりとした出足からも違いを感じることが可能だ。

そうすると、「ホイールを軽量化したら加速が良くなった」というリポートのほとんどは、空気圧の違いを体験しただけと推察される。ホイール交換前後で空気圧がどうなったのか、押さえていないリポートは参考にならない。

 

空気圧を上げれば簡単に加速が良くなるが、弊害もある。空気圧を1割あげると、タイヤのばね定数が上昇して乗り心地が悪くなったり、ロードノイズが増えてしまうのだ。当方の測定結果によると、205/55タイヤの場合、空気圧を1割上げると、45タイヤに近い値になった(前のトピック参照)。

空気圧を変えたくない人は、ころがり抵抗の少ないタイヤを選択するといい。最近のエコタイヤは、ころがり抵抗を1割以上減らしたという物があるので、タイヤ交換の機会にエコタイヤに替えるのも一つの手かもしれない。

 

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