接点にオイルを塗ると、接触抵抗が下がるのはなぜか

 これまでコンタクトオイルの有効性をご紹介してきたが、電気接点にオイルを塗ることに未だ抵抗を示す人は多い。そんな人の意見は次のようだ。

「オイルは絶縁物だろ? 接点にオイルを塗れば、余計接触が悪くなるに決まっている」

 電気接点にオイルを塗った場合の接触抵抗に関しては、以前実測データを示した[1]。接触圧によっては、確かに絶縁になってしまう場合がある。この現象を、次のグラフに示す。

 

contactgrph

 

 このグラフは、接触圧と接触抵抗の関係を示した模式図。オイル接点と乾式接点の違いをよく見てほしい。

 オイル接点には油膜が切れるポイントがあって、接触圧がそれ以下だと絶縁体の油膜によって電気が通らない。このポイントは、表面粗さやオイルの粘度によって異なる。一般に表面が平滑なほど、オイルの粘度が高いほど、油膜が切れにくい。

 ところが、油膜が切れるポイント以上の接触圧をかけると、乾式より低い接触抵抗で安定化できる。これが、コンタクトオイルを塗るメリットになる。

 

なぜオイルがあると接触抵抗が下がるのか

 通常、接点の表面は「酸化皮膜」や「汚れ」で覆われている。接点同士を押し当てるとこの皮膜を突き破り、導通が得られる。このとき新しい(腐食していない)金属面が露出するが、空気に触れていると直ちに酸化して酸化被膜が作られる。

 周りにオイルがあれば、このような酸化被膜が作られない。これが、オイル接点で接触抵抗が下がる理屈と考えられる。

 

接触抵抗は次第に上昇する

 乾式の電気接点は空気に触れているので時間とともに腐食が進み、接触抵抗が次第に上昇していくことが知られている。

 そこへ振動が加わると磨耗粉が発生し、接触抵抗が急激に増加する「フレッチングコロージョン」と呼ばれる現象が起こることがある。

 ピンケーブルや電源ケーブルを交換することで、音が変わることがある。この要因の一つに、上昇していた接触抵抗がリセットされたことが挙げられる。

 

接触抵抗を低い状態に保つ

 オイル接点では周囲がオイルで満たされているため、空気に触れない。そのため腐食が進行せず、接触抵抗を低い状態に保つことが出来ると考えられる。

 コンタクトオイルはすべての接点に使えるわけではないが、上記のような性質をよく理解し、上手に使えば、接点のメンテナンスをフリーにできる有用なアイテムだ。

 

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