デジタルアンプはこれからの主流になるか

デジタルアンプは以前からあるが、正直なところ、私はあまり関心がなかった。「ふーん、そんなものが出来たの」程度である。ところが、HD650を1ビットデジタルで鳴らし始めてから、いろんなソースを聞いてみて考えが変わった。やはり、これはすごい。
我が家にはアキュフェーズの高級プリやマッキントッシュがある。これらのヘッドホン端子から出てくる音とは、一聴して「クオリティ」が違う。これは4極にしてアースを独立させているせいもあるが、それだけではないだろう。

シャープの1ビットのように、アナログが介在しない「フルデジタルアンプ」は、素晴らしいリアリティと高解像度を提供してくれる。「忠実再生」の視点からみると、これ以上は無いかもしれない。ところが音の評価は主観的なもので、評価は様々だ。
デジタルアンプのこういった音質を、「音の傾向」と勘違いしている人が多い。音色の傾向(クセ)がある場合は、ロック、ポップスには良くても、クラッシックでは落ち着かない、といった、得手不得手の結果をもたらす。しかしデジタルアンプは、どんなソースでも「クオリティアップ」させる。これは、音色の傾向とは本質的に違うものである。

フルデジタルアンプでは、プレーヤからパワーアンプまで、音の変わる要素は何も無い。デジタル処理に起因する量子化誤差も、分解能やビットレートが十分高くなって、ほとんど問題なくなってしまった。入り口から出口までデジタル処理することで、相性、組合わせ、ケーブルに起因する音の変動要素はなくなる。アナログの音質は投資額に比例したが、デジタルはどの値段でも同じである。ユーザーは単に、スピーカの音色だけを聞き比べて買えばよい。そんな時代になりつつあるようだ。

過去の記事で、音の良すぎるシステムはソースのアラをさらけ出すから音楽鑑賞に適さないと述べた。これはスピーカの性能に大きく依存するから、こういう特性はスピーカの選択でコントロールすればよい。スピーカの入り口までを限りなくピュアにすることで、相性、組合せ問題を排除し、コントロールしやすいシステムにすることが可能だ。

高性能のスピーカと組み合わせた場合、音が鮮明になりすぎるかも知れない。アナログ的な輪郭の甘い音が好きなら、スピーカケーブルのところでわずかな細工をすればいい。デジタル時代のアクセサリは、そんなものが主流になるだろう。

 

<関連商品>
デジタルアンプ一覧