試乗記~日産 スカイライン250GT TypeP(DBA-V36)

試乗日:2006/12/10

ボディ・内装
 外観はフーガの廉価版。多少差別化されているが、パッと見はやはりフーガで、クルマに興味の薄い人には区別が付かないかもしれない。ドアの閉まり音も含め各種操作系のタッチは3.5L相応で高級感あふれる。空調の音はクラス不相応に大きめで残念。
 座った瞬間感じていた高すぎるヒップポイントは改善され許容範囲に。オーディオは調整をすべてフラットにしてもラウドネスを不自然にかけた低域よりのサウンドで、クラスにふさわしい繊細感、高級感に欠ける。
走り
 出足やアクセルの応答は一見鋭く感じるが、実態はチョイ踏みで一瞬ガバっとアクセルをあける不自然なもの。2.5Lの非力さをカバーするためのチューニングと見られるが、これではヴィッツのカックンアクセルと同じだ。ブレーキもチョイ踏みで鋭く制動が立ち上がるカックンブレーキで微妙な制動力の調整ができない。実際コーナを攻めてみると、これらのせいでとても走りずらい。この特性はお年寄り好みのチューニングで、とてもスポーツとは呼べるものではない。ロードノイズはとても小さく高級車にふさわしい静粛感がある。
 ステアリングフィールは一級品で重たいクルマなのにそれを意識させない。カックンアクセル&ブレーキがなんとかなれば、そこそこ操る楽しさを味わえるだろう。
 VQエンジンのフィールは進化。VQ固有のざらつき感を極力押さえ込んで高回転まで一定の音色をキープする。しかしVQ固有の雑味のある音色は相変わらずだ。NVをいくら押さえても、高調波成分の出方を変える工夫をしない限り、「ガサツ」という評価は無くならないだろう。
 5ATのマニュアルモードは今回も応答が遅すぎて役に立たない。ただマニュアルモードにするとアクセルの挙動が自然になって本来のパワーフィールが確認できる。これは「スノードライブモード」として使えそう。
総合
 1.5トンを超えるのに意外に重たい感じを受けない。このあたり、スカイラインの名を冠することでチューニングの苦労が伺える。カックンアクセルは3.5Lになればまた様子も変わるだろう。
 試乗した帰り道、日頃重く感じていた自分のクルマ(R34)が軽く感じた。やはり、V36は重たいクルマだ。同じような経験が過去にもある。R34を試乗後、自分のR32に乗ったときだ。どんなに技術が進歩しても慣性の大きさはごまかし切れない。今度のスカイラインはスポーツの味付けをした「ラグジュアリーセダン」である。フーガのスポーツテイストバージョンという位置づけかもしれない。

 それにしても、アクセルやブレーキの過敏な挙動はどうしたことだろう。アクティブステアもかなりそれを意識させるセッティングになっているという。国産車のアクセル、ブレーキは初期操作を大きくする傾向といわれるが、これはあまりにひどい。もともとHICASなどスカイラインの走りの機能は、さりげない動作をするものが主体で、運転中に違和感を感じさせるものではなかった。
 一番問題なのは、これらの特性・機能がスポーツテイストを演出する為のオマケであって、走りの性能を高めることには何の寄与もしていない、むしろ有害になっていることだ。これも結局レースに出ない前提で作られたクルマの宿命なのだろう。

 車重が1.5トンを超えると維持費の面からしても営業的に不利ではないだろうか。2.5Lならせめて1.4トン台に押さえてもらいたいところだ。
 シートやステアリングのパワー機構も余計ではないか。スポーツを名乗る場合は軽量化を優先して真っ先に撤廃すべきものである。これらは足腰の衰えたお年寄りに歓迎される装備だ。このクルマはやっぱり年配ユーザーをターゲットにしたラグジュアリーセダンということなのだろう。

 

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