日本の家はなぜ狭い~開放感のある室内環境はこうして作れ

私が住宅の検討を開始してもうすぐ2年になる。その間、いろんな物件を見てきたが、大抵は建物の規模に関係なく次のような特徴を持っていた。

 (1)玄関が狭く閉塞感を感じる。(リビングに行けばそこそこ広いけれど)
 (2)部屋数が多くて狭い。(やたらと目隠しや壁がある)

(1)に関しては、逆に驚くべき開放感を持った物件もあった。ダイワのED’Sハウスである。大抵の物件に共通するのは、「閉塞感」と「狭苦しさ」だ。その最大の原因は、狭い土地、床面積の中をさらに細かく区切って、玄関や廊下など無駄なものを作ってしまうところにある。多額の借金をして建てた家がウサギ小屋の延長では、勿体ないではないか。日本の住宅で最も欠けている物は「広々とした開放感」だ。

 狭い土地と建物の中で「広々」「開放感」を得るにはどうしたらよいか。これには次がある。

 

(1)部屋数を最小限にして、必用に応じて区切って使える形にする。

  多くの人が作ってしまうのが「和室」と人数分の「子供部屋」だ。どちらも、長いライフスパンの中で常時使うことはない。将来必用になる時に備えて、これの空間を「専用」に作ってしまうのは無駄である。そこで、次のようにする。

     和室
            →LDKに吸収。当面はLDKの一角に置き畳を敷いて対応。常時必用になった場合は、間仕切りを設けて分割する。

     子供部屋(2人分)
            →12~14畳の長方形の部屋を作り、子供が小さいうちは書斎orシアターorオーディオルームとして利用。必用になったら

収納付き間仕切りを設けて2室に分割し子供部屋とする。進学就職等でいなくなったら、和室+書斎などとするか、もと通り1室として利用する。

(2)廊下の排除

   部屋に出入りするためだけに設けられた「廊下」は無駄な間取りの代表である。とはいえ通路は必要だ。そこで幅を広く取って「ホール」とし、これを中心にすべての部屋を接続する形にする。ただ通るだけの廊下を広げてホールにすることで机や椅子を置くことができるようになり、用途が広がる。
     ホールに吹抜を接続するとより効果的だ。吹抜周囲に設けられた通路は視界の邪魔にならず、吹抜面積以上の空間として感じることが可能だ。

(3)吹抜の傾斜施工

   上下方向の開放感を得る手段として吹き抜けは効果的だ。しかし、小さすぎる吹抜はこのような視覚効果のない単なる「ダクト」になってしまう。どうしても面積を取れない場合は、底部を「面取り」したり、手前側の壁を「傾斜」させることでみかけ上広く見せることが可能だ。傾斜面を設けると吹き抜けによる不快な音の共鳴を防ぐ効果も期待できる。

 

 以上が間取りや室内の施工に関する工夫である。これらを実施しても、所詮は狭い敷地の中、限界があるし、玄関の閉塞感は改善されないままだ。そこで必要になるのが「外部空間の利用」だ。これをうまく使うと、物理的空間以上の広さを感じることが可能になる。

 

(1)外の空間と繋がりを持たせる

     たとえば、LDKに対し、ウッドデッキやバルコニー、ベランダを床面フラットで繋ぐ。坪庭を作ってリビング、玄関、浴室から見せるようにする。外の空間とつながりを持たせることで、たとえ部屋が小さくても十分な開放感を得ることが可能だ。
     大切なのは奥行きで、ウッドデッキは2間、ベランダや坪庭は1間以上確保することが必要だ。これより狭いと作った意味がなくなってしまう。

(2)鏡を使う

     たとえば、坪庭の中に温水器を隣接配置する場合、耐湿ガラスを貼って隠す手がある。これによって温水器を隠しつつ坪庭の空間を2倍に見せることが可能だ。鏡は他にも空間を2倍に見せる方法としていろいろ使えるので工夫してみてほしい。

 

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