エアコンの選び方と正しい活用法~正確な温調はどうやったら実現できるか

 こんな経験はないだろうか。

 エアコンを27℃に設定したが暑い。室温計をみれば30度を超えている。エアコンを見るとほとんど風が出てない。温度を26度に下げたら勢いよく風が出だ。でもしばらくすると寒い。そこでまた27度に戻す(以後この繰り返し)。

 このような不快な思いをせずに済む、エアコンの選び方をご紹介する。

 

重要な「温調精度」

 どんな立派な機能を備えていても、室温が設定通りにならないエアコンは使いにくく、快適な環境が望めない。

 「今時、そんな問題を抱えるエアコンがあるのか?」と思うかもしれないが、温調精度はカタログに書かれていない落とし穴の一つ。

 冒頭の例ではヒステリシスが3℃以上ある。これは3℃気温があがると冷房運転が開始され、3℃冷えたらそれが止まる(省エネ運転に入る)ことを意味する。

 3℃というと、体にとっては結構厳しい温度変化になる。

 

温調精度に優れたエアコンの見分け方

 ヒステリシスはカタログを眺めてもわからないが、温度設定を0.5℃単位で設定できる機種はヒステリシスが小さく、温調精度に優れていることが多いようだ。

0.5℃単位で設定できるエアコンのリモコン つまり、温度設定を0.5℃単位で設定できるエアコンを選ぶことが第一のポイントになる。

 

 

室内の温度ムラをなくす

 空気が止まっていると、人がいるエリアとエアコンの近傍で温度差を生じてしまう。エアコンのセンサで室温を正しく検出できなければ、正確な温調は望めない。

 そこで、エアコンを使う場合は必ず扇風機を併用したい。これは以前からよく聞かれる話だが、扇風機の使い方が異なる。

羽根径40cmの扇風機 アピックスのAFL-288R 循環(サーキュレーション)を目的とした場合、人に当てるのではなく、本体を部屋の隅に置いて対角の天井の角に向け、連続して一定の風を送る

 写真は40cmの大径羽根をもつアピックスのAFL-288R。後ろに写っている専用サーキュレーターより静かに循環できる。

 

 

 エアコンにはリモコン側に温度センサを搭載した商品がある。扇風機を併用して空気を攪拌すれば、どこにセンサがあっても問題ない。

 ムーブアイ(三菱)と呼ばれるセンサは物体の温度や人の位置を知るためのもので、空気の温度は測れない点に注意したい。

 

省エネ運転のレベルを見直す

 最近のエアコンは省エネのレベルを段階的に調整できるが、あまり省エネにしすぎると風量が極端に減ったり、送風が止まってしまう場合がある。

 このせいで室温が設定通りにならず、大きく変動してしまっては本末転倒。このような結果にならないよう、省エネ運転のレベルを慎重に決めてほしい。

 

 

<参考購入先>
エアコンの一覧 0.5℃で温度設定できるものを選んでください

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<改訂履歴>
2018/10/17 扇風機の項目以下を追加しました。