ソフト開発環境~マルチOSの運用

いろんなOSで動作確認をしなければならないソフト作者にとってマルチOSは必須の環境だ。しかし、マルチOSを運用にはWindowsのブートやHDD管理に関するある程度の知識が必要だし、マルチOSを構築や運用に関するノウハウは世間にあまりない。

 一番簡単なのは、カートリッジ式のリムーバブルドライブで運用することだが、問題はHDDが傷みやすい点にある。HDDへの衝撃緩和に有効な防振ゴム付きのたカートリッジが市販されてるが、どんなに注意深く扱っても出し入れによるHDDへのストレスが避けられない。以前この方法を使っていたが今ではこのような問題から実施していない。

 次に考えられるのは、マルチOSを実現するためのソフトの導入である。これで1つのHDDに最大4つのWindows OSを実装できる。この手のソフトにはシステムコマンダーとAcronis OS Selectorがある。両方使った感じだと、前者の方が信頼性、機能ともに優れている。(両者の大きな違いに、前者はDOSベース、後者はLinuxベースということがある。)
 マルチOS環境では、OSとデータ専用に2つのHDDを用意し、OS用HDDを次のように区切る。

 

 80GBのドライブをマルチOS用に準備する例

パーテーション 容量(GB) 内容
Pat1 10 Disk管理専用
Pat2 15 テスト用OS or Game専用
Pat3 15 テスト用OS or Game専用
Pat4 40 メイン環境

 当然のことだが、これらのパーテーションはどこからでもブートできるよう「基本」領域にする必要がある。
 マルチOSソフトやバックアップツールなどのソフトはPat1にインストールしておく。ポイントは、Pat1をDisk管理専用にして基本的にいじらないこと、利用頻度が高く、ソフトの更新が多いパーテーションを後方に配置することの2点だ。

 よくある失敗が、Pat1にメイン環境を入れてそこにマルチOSソフトを入れてしまうことだ。これだとPat1に障害が生じた際、以降インストールしたすべてのPatも同時に失う。(パーテーションは無事でもブート情報を失うため起動できなくなる。復旧は困難。)
 また、更新の多い領域を後方に配置しないと、ディスク容量が不足した際、以下のすべてのPat領域を調整しなければならなくなる。

 パーテーションがうまくできたら、次に、ドライブ(MBR含む)ごとバックアップできるソフトを導入し任意のパーテーションをいつでも復旧できる形にしておく。これはいろいろあるが、増分コピーができて好きな時点に復旧可能なものがよい。そんなソフトの一つにAcronis True Image がある。領域をいったん未使用にしないと復元できないのが難点だが、まあまあ使える。

 次に、マニュアルに書いていない運用上の注意点について述べよう。

  • システムコマンダーのOSウイザードを利用する場合は、BIOSで最初の起動ドライブをHDDに設定しておく必要がある。
  • マニュアル操作でOSをインストールしシステムドライブを”C”として認識するためには、OSインストールの前に他のPatを「非表示」にしておく必要がある。
  • マニュアル操作でOSをインストールしたら、リスタートディスクを起動、メニュ-1を選択してディスクツールを起動、Pat1を「アクティブ、ブート可能」に設定したのち、Windowsからシステムコマンダーを起動して有効にする。
  • Acronis True Imageでバックアップする前に、すべてのPatの属性をシステムコマンダーのパーテーション操作を使って「表示」にしたのち、Pat1を「アクティブ、ブート可能」にしておく必要がある(LinuxベースAcronis製品だとHDDの属性をうまく変更できない)。
  • バックアップしたPatのリストアは、原則同じ順番でなければならない。(たとえばPat2をPat3にリストアして使うことは考えない方が無難)。

この方法は環境の構築がとても面倒な上にメンテナンスが大変だ。複数のパソコンに別々のOSを入れる形がよいだろう

 

<関連商品>
OS商品
PCパーツ

 <関連記事>
フロント着脱式ドライブベイの運用