アンプのダンピングファクタを実測比較する

各種アンプの出力抵抗(DF)を測定した結果を公表しよう。この結果は、2.5~4ohm程度の固定抵抗を負荷として使い、ON/OFF法を実施して出力抵抗を計算したものだ。測定には1kHzの正弦波が記録されたCD(DENON AUDIO TECHNICAL CD 38C39-7147)を使い、出力電圧はデジタルテスタを用いて測定した。
 ON/OFF法による出力抵抗の測定には賛否あるが、TRアンプの場合参考になる。デジタルアンプの場合L負荷が必要かも知れないが、無しでも正弦派に近い波形が出るため参考にはなるだろう。

          表1 各種アンプの出力インピーダンスとDF(実測値)

dfgraph1

 マッキントッシュの( )内抵抗値はトランスのタップを示す。これを見るとDFは概ね、価格に比例するようである。DFが300を超える物は、テスタの接触抵抗が無視できず誤差が大きいと見て欲しい。おなじDF=300でもプロ用アンプとアキュのそれとは中身が異なる。プロ用アンプの高いDFは強いNFBの結果であり※、アキュのDFは多数の出力素子をパラにした結果だ。A-N701はディスクリート構成の出力段を持つミニコンポで、なかなか健闘している。

※プロ用アンプはSPケーブルを長く使う事情から、NFBを強くかけてDFを高くしているのが普通であり、アンプの「素」の特性が良いとは限らない。DF大きさだけをみてアンプの優劣を判断するのは間違いである。

ところで、アンプに関してはDF(出力インピーダンス)と音量(ゲイン)を統一するのが評価方法の一つであることをこちらで述べた。そこで、DF=40を目標として、必要なSPケーブルの長さを計算した結果を次に示す。表中の「スケア」はケーブルの太さ(mm2)である。

表によると、パイオニアミニコンポ(A-N701)を2スケア5m、アキュp-550に1スケア5mのケーブルで繋げば、DFの影響を除去したアンプの固有音について比較することが可能だ。世間には多くのアンプの音評があるが、外観の印象をそのまま文章にしたようなものが多く、正確にその音色を評したのか、疑わしいものがほとんどである。

          表2 DF=40を満足できるSPケーブルの許容最大長さ

dfgraph2計算式
L = A (Rsp – DF・Ro)/(0.001・2・17.241・DF) (m)
= 29 A (Rsp – DF・Ro)/DF (m)

Rsp:A:スケアサイズ(mm^2)、SPの公称インピーダンス(ohm)、DF:目標DF、Ro:AMPの出力インピーダンス(ohm)、17.241:銅線の抵抗値(mΩmm^2/m)、分母を2倍しているのは往復分。

 

 

また、表の結果からすると、2スケのケーブルを3m以下で使えば多くのケースでDFが40以上になり、ケーブルの影響が無視できることがわかる。
表の中のいくつかの機種は手持ちにあるので実際比較視聴できる。アナログアンプ同士の音色差は判然とせず、むしろ左右のボリウムゲイン誤差による音像の偏りが気になる。
(L,Rのゲイン誤差は国産機種で3~4%が普通で、海外製では高級機でも10%近い誤差が見られる。誤差が4%もあるとボーカルがセンターに定位せず小さい音量のcHで音場が希薄になる。これについては次回詳述しよう)

 

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