新築リスニングルームの設計3~創造の館リスニングルームの完成

私が音響設計したリスニングルームが完成したので紹介します。

newroom1

部屋の大きさは14畳、将来2部屋に間仕切って子供部屋にすることを考慮し、ドアを2つ設置してあります。このドアはダイケンの防音ドアでカタログスペックは-34dBですが、多少隙間があり実測すると-25dB~-26dBでした。
最大7.1chシアターに対応できるよう、スピーカターミナルを壁面4カ所に先行配置してあります。一番奥に見えるスピーカはJBL S3100。

roompram左は始設計図。設計に置いて一般に難しい「残響時間」と「定在波抑制」の両立を目指しました。
 適切な残響時間は音楽を楽しむ上で欠かせませんが、残響時間を求めると定在波やフラッターエコーなどの有害反射が発生しやすくなります。そこで勾配天井と、当面使わない間仕切り壁(フリーウオール)を反射壁に流用し、これらの対策としました

低域こもり音の原因となる低周波の定在波を防止するため、部屋の4隅に12mmの穴あき石膏ボードを貼ると共に、天井の全周隅部に中~高周波の吸音ボードを貼りました。

 

 

※施工後の検証でフリーウオールを反射に使わなくても問題が起こらないとを確認できました。

 

newroom24つの角部に施工した低周波吸音パネル(穴あき石膏ボード、壁内は吸音材)。低域こもり音の原因になる低周波の定在波を効果的に防止します。

 

newroom3天井隅部の中~高周波用吸音パネル(ダイケン製)

隅から、中~高周波用の吸音材(TA2713)、高周波用吸音材(TA2711,ブロック形)を貼り、残りが反射壁(石膏ボード+クロス貼り)になっています。吸音を天井の隅に沿ってリング状に配置してあるのは、定在波の全てのモードで隅が腹になるためです。
 これら吸音、反射部材のの面積は、残響時間が目標値になるよう綿密に計算して決めました。

 

zankyo残響時間の測定結果。手を叩いたときの音をレコーダで録りパソコンでデータ処理しました。残響時間は0.55secを目標に設計した結果0.43Secでした。誤差の原因は家具やカーテンの影響を見込んでいなかった為と見ています。

 

sptaminalサラウンド用ターミナル(オーディオラック裏)。ここから側面2カ所、背面2カ所に繋がっており7.1chまで対応できます。

 

 

周波数特性の測定結果(2012/10追加)
(MIC:AUDIX TM1 , Souce:Chirp , WaveSpectra Ver1.51 Peak Hold)

s3100tokusei S3100のツイータ軸上0.5m,リスニングポイントのf特。どちらもフラットで定在波や干渉によるピーク、ディップは見られません。再生周波数帯域は十分で、サブウーファ、スーパーツイータなどの追加も必要ありません。部屋がスピーカーの性能を100%引き出しているようです。

 スピーカから出る音はそれを鳴らす部屋によって大きく影響されます。この部屋にはどんなスピーカを持ち込んでも十分な性能を引き出せると思います。

 

 

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