キーボード、マウスはガラクタばかり~「普通」の良品がない市場

 最近キーボードとマウスの調査をしたが、なかなかよい物がない。これらの入力デバイスは作業効率に大きく影響する。そこで今回は、選定のポイントをまとめてみた。

キーボードを選ぶときのポイント

項目 内容 備考
配列 普通の109  
ストローク 4±0.5
操作力 55±10g 軽すぎ、重すぎないこと。
操作音 無音~小
マーク ホームポジションが識別容易なこと
メンテナンス 分解清掃が容易なこと
パソコン本体と同一色

 配列について
 注目点は、スペースキーやIns,Delまわり。このあたりのボタンサイズが変形していたり、配置を変えていると使いずらい。上記の配列の見本にある「109キーボード」を良く見て欲しい。
 スペースキー左右のセンターは、ホームポジション(F,J)を結ぶ左右のセンターとあまりズレてはいけない。スペースキー端部は、V,Nキー両端までか、短くてもV,Nキーの中央付近まで。Ins,Delキーの配置も配列見本通りが望ましい。
 変則的な配列は「慣れ」により対処できるが、変則的な配列に慣れてしまうと他のキーボードで戸惑うことになる。

ストローク
 上述の数字はごく一般的なもの。ストロークは浅すぎても深すぎても使いにくい。デスクトップ用なのにわざわざノート用のパンタ式を採用するものは不可。メカニカル式は深すぎるものが多いので要注意。

操作力、クリック感、操作
 安い機種はシリコンドームを使ったメンブレン式が多く、企業向けパソコンではこれが一般的。適度な操作力とクリック感があり、操作音も小さくて周囲に迷惑がかからない。耐久性も10年以上問題ない。
 メカニカル式は独特なものが多い。黒軸のように終始一定力でクリック感がないもの、金属ばねのような反力があるもの、「カチカチ」音が出るものなど様々。「タッチが良い」「疲れにくい」「高速入力可能」などのセールストークには独善が多く、多数の被験者を用いて評価した結果でないことに注意しなければならない。

メンテナンス
 どんなキーボードも隙間に埃や髪の毛が入って次第に汚くなり、グリスも枯れて操作感が悪くなる。分解清掃と給油などのメンテナンスは必要であり、できなければパッドの電極が磨り減る前に寿命となる。  DELLやミツミのキーボードはキートップだけ分離でき、水をかけて丸洗い&グリスアップできるため、清掃すると新品のようになる。
 グリスはプラスチックに悪影響しないものが必要。私はフッ素グリス(rational001s)使っているが、操作感、静音性も同時にアップし、高価なメカニカルよりもよいと感じる。

マーク
 マークの注目点は、F,Jキーにあるホームポジションを表すための出張りが明確なことだ。文字の印刷などはごく普通であればよい。


 キーボードの色は本体と合っていることが望ましく、通常はベージュもしくは黒だ。本体の色を無視したものは見た目に違和感を生じる。

 

 私が使っているキーボードは、10年以上前にDELLのパソコンを買ったときついてきたもの。これはメンブレン式のごく普通のキーボードで、分解清掃しながら使っている。
 DELL,HPなど企業向けモデルに付いてくる普通のキーボードは、使い勝手は勿論、耐久性、静音性など、オフィスで要求される実用機能を高いレベルで満たしている。昔から企業で大量に使われ、バランスの取れた特性と耐久性は実証済みだ。これと同じものを市販品で探してもなかなかない。妙に変形していたり、いらないボタンがたくさん付いているものが多く、半年くらいでどこか破損してしまうことが多い。

 

 

次に、マウスに関する選定のポイントを次に示す。

項目 内容 備考
フィット 大きすぎず、手のひらに収まること
操作力 軽め
操作音 無音~小
機能 シンプルなもの
性能 表面の反射率や模様によって誤動作しにくいもの
メンテナンス 分解容易なこと
パソコン本体と同一色

フィット
 小さい分には問題ないが、大きすぎると使いずらい。アメリカ人の手のひらに合わせて設計されたと思えるようなサイズのものは要注意。

操作力
 クリックの操作力は軽めがよい。強いと肩こりの原因になる。これは乾電池を使って店頭で簡単にチェックできる。
 具体的には単二電池1個と、単三電池2個をセロテープでまとめたものを用意する。単二電池をスイッチの上にそっと乗せてもスイッチが入らないものはNG(重すぎ)、単三電池×2でもスイッチが入るものは軽めの判定になる

すべり
 裏側にはがれにくい形で樹脂パッドが貼ってあり、適度な摩擦があるものがよい。すべりが悪いものはダメだが、良すぎてもポジションが決まりにくくなり使いずらい。ある程度の「摩擦」は必要なもの。

機能
 ボタン数は少なく、シンプルなものがよい。ボタンが多いことが、必ずしも使い勝手に結びつくとは限らない。ボタンを増やした結果、操作感を損った商品を多くみかける。
 ワイヤレスが手ごろになってきたが、二次電池を交換できないもは選定の対象にならない。ワイヤレスのために構造が複雑になり、メンテがしずらくなっては本末転倒といえる。

性能
 分解能や読取精度などをうたう商品が多いが、実用上問題になる商品はない。それよりも、表面の反射率や模様によって誤動作しにくいといったロバスト性のほうが重要だ。バッファローコクヨサプライのダブルレンズ式マウスは、驚くことにガラス面でも読み取れる。
 感度が良すぎるもの(レーザマウス)などは周囲の光源がノイズになり、パソコン側の省電力機能が誤動作することがある。

メンテナンス
 マウスは使っているとボタンがキシキシ、ホイールがカタカタ言うようになる。キーボード同様、分解してメンテ(グリスアップ)できることが必要だ。裏蓋がねじ止めされていて分解できることが条件となる(シールで隠れている場合が多いのでよく見て欲しい)。
 分解できないものは調子が悪くなったらそれで終わり、使い捨てになってしまう。

 

 私が使っているマウスは、MS社製の安い商品だ(写真参照)。グリスチューンして操作性を良くしてある。私はいままでいろんなマウスを使って来たが、MS社製のシンプルな商品が上記の項目をバランスよく備えているようだ。

 結局、キーボードやマウスは「ごく普通」の商品を買って、分解メンテしながら使うのが一番だ。これらUIデバイスの使いやすさと、値段との間に比例関係はない。高額な商品をフンパツしても、使いずらいと結局無駄になる。

 

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