全部入り一眼 ペンタックスK-7

 2009年に登場したペンタックスK-7はほとんど全部の機能を詰め込んだ欲張りカメラだ。

 今までのカメラは「あれが付いてない」「これさえ付いてれば買ったのに」と思うことが多かったが、この商品にはAF微調整、動画、電子水準器、防塵防滴ボディなど、カメラにこだわる人が気にしそうな機能がすべて盛り込まれている。

 これにバリアングルが付いてたら完璧だったろうが、アレコレ詰め込んで小型にまとめた商品企画がすばらしい。ペンタックスにとっては「かいしんの一撃!」といえる商品だ。

 屋外ではホコリや雨滴が避けられない。金属ボディでガッチリしていて、取り扱いに神経を使わなくて良いことも大切なことだ。

 

光学ファインダーの魅力

 当時発売されていたパナソニックGH1、E-p1も素晴らしいカメラだが、「電子ファインダー」で引っかかっていた。電子ファインダーで見る映像は、液晶モニターの劣化版でしかない。

 我が家にはニコンFE-2があって、レンズを通した光を生で見られる光学ファインダーが付いている。ファインダーを覗くとそこに別世界が広がる。被写体からの空気を感じる。写真を撮る充実感は、光学ファインダーの付いた「一眼レフ」でしか味わえない魅力の一つだ[1]

 

ペッタックスをイチから揃えると20万コース

 今まで眼中になかったペンタックスから秀作がでたものだから、困ったことになった。ペンタのプラットホームはゼロ。K-7をベースにレンズと(広角ズーム、望遠ズーム、超広角)ストロボなど、ゼロから買い揃えれば総額20万近くになる。

 デジカメは3年で陳腐化し5年でゴミになってしまう。別メーカから魅力的な商品が出れば、20万出して揃えたペンタの資産が無駄になってしまう可能性もある。

 写真は所詮自己満足。趣味の世界。それに20万も投資する価値があるのか、疑問に思えてきた。それに写真という趣味には暗い部分がある。デジ一眼が普及した現在も、首にカメラぶらさげて近所をブラブラしていると、怪しまれることが多いのだ。

 

レンズで引っかかってしまう・・

 ペンタックスK7の購入を前提にレンズを模索しはじめたが、そこで行き詰まってしまった。レンズ選びに関してはユーザレビューが参考になるが、詳しいデータを示してくれるサイトもある[1][2]

 レンズデータをチェックすると、フォーサーズシステムの合理性を再認識する。同じズームレンジ、明るさで較べるとフォーサーズの方が2ランク性能が高い。例えばパナソニックGH1についてくる高倍率ズームは、フルサイズの世界ではありえない高性能だ。

 フォーサーズと同等の性能をAPSやフルサイズで求めると、大きく重く、高価なものか、同等のレンズは「存在しない」という結果のいずれかになる。レンズテストの結果を見てしまうと、どうしてもフォーサーズのズイコーレンズを使いたくなってしまう。

 

やっぱりフォーサーズがベストなのだが・・

 レンズは小型になるほど収差が小さく性能の良いレンズを設計しやすい。しかし小さくしすぎると今度はイメージセンサーの画素が極小化してノイズやDレンジなどの性能が悪化してしまう。両者トレードオフの最適解は、やっぱりフォーサーズなのかもしれない。

 オリンパスのフォーサーズ本体には、未だ水準器と動画撮影機能が付かない。これらを内蔵した一眼の登場を望む。

 

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<参考文献>
1.DPREVIEW
2.OpticalLimits