ホーンのデッドニング

安いホーンスピーカは金属製ホーンでデッドニングもされていないことが多い。ここに手を入れると不要共振を抑え音質改善が期待できる。
ただ、この手の共振はハコのデッドニングや吸音処理同様、抑えるほどよいというわけではない。ある程度の共振は音にアクセントを与え、音楽を楽しむ上でプラスに作用する。共振を抑えるほど忠実再生に近くなるが、音色的には暗くつまらない方向に向かう。

デッドニングに使う材料はいろいろあり、効果が異なる。これらを効果の順に並べると次のようになる。

 

[効果小]
1.天然ゴム板貼り(3~4t)
2.ブチルテープ、パテ 
3.箔付き制振材(パソコン用など)、粘着付き鉛テープ(0.3t) 4.粘着材(1t以下)+鉄板(ホーン板厚の1/3程度)
[効果大]

 

ホーンのデッドニングとは、ホーンの「損失係数」を増す改造を意味し、損失係数が鉄より高い材料を貼り付けることで実現される。制振材そのものの損失係数は、指で押したり、曲げたときに、復元する速度がゆっくりなものほど高い。まったく復元しない「粘土」はこの世で最も高い損失係数を持つ材料である。天然ゴムは制振材として見たとき損失係数が低い部類に属し、シリコンゴムはさらに低いので制振材に使えない。

制振材を貼ったときの制振効果は、その施工面積と制振材料の厚み(面密度)に比例し、施工によって2と3が逆転する場合もある。

4は1~3らとは異なる制振原理が作用する。鉄板が「拘束材」となり粘着材にせん断力を働かせることで大きな損失を得る。1~3などより施工厚を大幅に薄く出来るため、エンクロージュアなどの厚板の共振を抑えることにも使える。

実際どの程度のデッドニングが適当かは、聴感で決めるしかない。これは楽器のチューニングと同じといえる。上記の理屈を理解していれば、無駄な試行錯誤を減らして目的の音に早く近づけることができるだろう。

 

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