低音の出ないスピーカを改造する2~PCスピーカ編

spkai1 写真のSPはF社のパソコンについてきたオマケで、音はまるでAMラジオのようである。バラしてみると、Hi-Fiとはほど遠いユニットが付いていた。今回は、このどうしようもないSPをチューンしてみる。

 このような小型ユニットの場合、表面に塗料などを塗布すると質量的にちょうどよい。この場合の塗料は酢酸ビニル樹脂(木工用ボンド)がベストである。

 「そんなものを!?」と思うかもしれないが、木工用ボンドの硬化物は減衰特性が優秀で、これに代替できるものはそうザラにない。あまり知られていないが、JBLのE110シリーズにもほぼ同じものが塗布されている。

 

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 左は木工用ボンドを塗布したところ。塗りムラは色の濃さで分かる。右はその乾燥後である。これで大体、0.2~0.3gの質量アップになる。
 木工用ボンドが塗りにくい場合や、薄塗りしたい場合は、少し水を混ぜて希釈するとよい。

 フルレンジユニットではコーン中心付近(半径の概ね1/3のエリア)とセンターキャップは高域を担うので、最初は塗布しないで様子をみてほしい。塗りすぎるとまったく高域が出なくなりフルレンジでなくなってしまう。

 

 今回の結果は、低域のレンジが延びてAMラジオのような音がかなりマシになった。しかし能率は下がりすぎて、今までと同じ音量を出す為にかなりボリウムを上げないといけなくなった。写真の塗り厚は10cmクラスのSPで丁度良いもので、今回の場合はもう少し薄めに塗ったほうが良かったかもしれない。

 音のクオリテイが上がったせいで、プラスチックの付帯音が耳に付くようになった。これはエンクロージュア(箱)が薄いプラスチックで出来ていて振動してしまう為だ。

 

 この改善策は2ステップに分かれる。最初のステップは、前面バッフル(板)の剛性をあげて振動を抑える。具体的にはエポキシパテ(出来るだけ硬くなるもの)を、板厚の2~3倍以上の厚みで盛る。
 板が数ミリのプラスチックで出来ている場合は、配管シール用のパテ(不乾性パテ)でも代用できる。パテは10mm~20mm厚が目安。パテは剥がしたり、厚みの調整が簡単にできて便利だ。

 それでも問題が改善されない場合は、次のステップを実施する。このステップでは、側面と背面の板を制振する。制振に使う材料は、全面バッフルと同じだ。

 

 箱の中に吸音材が入っていなければ、入れてみる。吸音材は専用品を買わなくても、適当なスポンジや布団の綿のようなものでよい。入れすぎると暗い感じになってしまう。入れる量は音を聞きながら調整する。

 アレコレ手を加えていくことで音は改善するが、ヘタをすると元のSPより材料費が高くなりかねない。コストのバランスを考えることも重要だ。

 

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