Delphiの将来~XE2にみる商品戦略の問題点

私がもっているDelphiの最終バージョンはDelphi8(実質的には8にオマケで付いていたDelphi7)である。Vista,Win7上では動かないため、これらのOSをインストールする際はDelphiのためだけにXPをインストールしてマルチブート環境を作らないといけない状況にある(いろいろ検討したが結局これに落ち着いた)。

いっそのこと、最新のDelphiを導入してしまうか。現在のバージョンはXE2で、アップグレードの優待を使えばスタータライセンスが1.4万円で手に入る。これは個人作者にとって十分受け入れられる金額だ。ところが良く調べてみると、いろいろ問題がある。

VCLがユニコードに改変されていて過去(Delphi2009以前)に作られたコンポーネントの多くが使えない。Delphiの資産は多いといっても個人が趣味で作ったものが大半で、それらのほとんどはメンテナンスされないまま放置、もしくは配布サイト自体が消滅している。ユニコード対応の壁を乗り越えて現存するものは少なく、選択肢は非常に限られてしまうようだ。

もう一つの問題はスタータライセンスの中身だ。Win32アプリしか開発できないのは良いとしても、IDEの機能までもが大幅にカットされており、本格的なプログラミングをするには役不足である。この内容なら、無償が適当ではないか。

サポートも初期の気づきに対する無償インシデントが無い。これだとDelphiを始めた人が、わからないことがあっても自己解決できず「使えないね」となって投げ出してしまう。

Delphiの商売は相変わらず過去の大口顧客、企業向けに特化していて、個人作者を視野に入れていない。ユーザーを増やすきっかけも最初から放棄している。

個人作者が利用しやすい料金、火猿を分離した安価なライセンス、スタータの無償化、導入に手助けとなる無償インシデント、などが必要だ。個人作者を無視してIDEの発展はありえない。個人作者はIDEの底辺を支える重要な顧客である。今のような商売を続ける限り、今後も発展はないだろう。

 

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