マツダCX-5はスポーツカーになれるか

 CX-5のターボディーゼルはわずか2000回転で4Lエンジン並みのトルクを発揮するクルマだ。この数字に目をつけたカー雑誌のライターがスポーツカーなどという。ためしに試乗した結果は、カタログスペックから想像した通りだった。

 

 たしかに、ふめば加速するし、余裕のパワーで坂道もストレスなく走る。しかし、キビキビ感はなく、踏んだ瞬間の加速感が丸い。「加速感」を得ようとアクセルを踏み込めば、すぐスピードがあがって怖い結果になる。原因は、車体が重過ぎることだ(1.6トンもある)[1]

 結局、重いクルマはいくらパワーがあってもスポーツカーになれないことを再確認した(そもそも、パワーだけとりあげてスポーツカーの候補に挙げるのが間違いなのだが)。

 CX-5は他の要素に目を向けると、静粛性に優れ高質な乗り味を持つクルマである。燃費も1.6トンとは信じられないくらいよい。スポーツカーではなく、GTカーとしてみれば、優れた商品に違いない。

 

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