夏休みの自由研究~ゲルマラジオと子育ての難しさ

 私に電子回路に興味をもつきっかけを与えたのは、小学生のころ購読していた「学研の科学」についてきたゲルマラジオだった。「こんなものが」と半信半疑でテキトーに作ったそのオモチャから実際に音が出てきたときは、たいそう驚いたものである。
 そこで、同じ年頃になる自分の子供に同じ経験をさせようと、ゲルマラジオを買って作らせてみた。しかしその反応は「ふーん」と冷ややかなものだ。

 

 自分の子供は私とは違ったものに興味を抱き、すでに別の道を歩んでいる。同じ遺伝子なのだから、同じことに興味を持つだろうと思いたいが、現実はそうはいかないようだ。社長が自分の職を子供に継がせようと思ってもうまくいかない、親子3代目には会社がつぶれる、なんて噂があるのも、「やっぱりそうか」と妙に納得してしまうのだった。

 

 数十年ぶりにゲルマラジオを作って気づいたことがある。鳴らすのが難しくなったことだ。昔は電話線やガス・水道管を利用してアンテナやアースが取れたが、いまはIP電話、樹脂配管である。買ってきて説明書どおり作ればおしまい・・・とはいかない教材だ。屋外に十メートルのアンテナを設置、地面からアースをとるなど、教材以外の方に創意努力が求められる。

 とはいえ、ゲルマラジオは電子回路の基本とラジオの動作原理を学ぶために最高の教材に違いない。見た目は単純だがその中身はきわめて奥深い。「こんなオモチャからラジオが聞こえてくる。。」この不思議と感動を、多くの人に体験してもらいたいと思う。

 

<参考購入先>
ゲルマラジオ製作キット