国産家電はなぜ衰退したか~決定的にダメなUI

クルマを買ったついでにパナソニックの最新ナビを取り付けてみた。UI(ユーザー・インターフェース)は実に複雑怪奇であり、やりたいことが直感的な操作で達成できない。寄り道機能など、いったい何回ボタンを押させるの?と叫びたくなる。下列にメカボタンが出っ張っているせいで、そのすぐ上のタッチパネルは爪先でつつくしかない。このナビを使うためには、いろんな面で人間がナビに合わせる必要がある。故ジョブズなら絶対に許さない商品だろう。

 

ナビのUIがダメなのはパナソニックに限った話ではない。他社も似たようなものである。パナソニックを選んだのは、過去の経験からダメな中でもマシな方だと思ったからだ。
テレビも同じだ。国産のテレビを買うと、オモチャのようなリモコンが付いてくる。リモコンの形状、色、ボタン配列・・どれをとってもセンスのカケラもない上、例外なく使いずらい。

 

UIの問題は、ナビ、TVにとどまらず、エアコン、洗濯機、扇風機、電話機、照明器具に至るまで幅広い。この問題は家電にとどまらない。HIOKI、横河、小野測器は計測器の分野でダメなUIの機器を作り続ける代表メーカである。
UIは国産製品すべてに共通する問題なのかもしれない。それは性能や機能にばかり力を注いで、デザインやUIの研究にあまり投資してこなかったツケなのだろう。

 

確かに消費者はこれまで、「性能」「機能」で国産製品を選んできた。「使いやすさ」「デザイン」が問題にならなかったのは、「満足」していたわけではなく「目をつぶってきただけ」ではないだろうか。「性能」「機能」が海外メーカと横並びになれば、今度は「使いやすさ」「デザイン」といったものが注目されるだろう。ここで差別化できなければ、いったい何が残るというのだろう。

 

アップルが保有する「消費者が思い入れを持ってくれるような狂おしいほどの魅力」は、徹底的に考え抜かれた「UI」「デザイン」から産まれるものだが、そんな国内商品は見たことが無い。国産製品は商品単価の安いものほどデザイン共々醜い。手にとって見ると、「これはこんなもんでいいや」という作り手の意識、やる気の無さが伝わってくるのである。価格に応じて手抜きをするのでは、メーカのブランドイメージなど作れるはずもない。

アップルの商品企画はCMやデザインから入るらしい。日本でアップルのような商品が産まれないのは、ジョブズがいないからではなくて、商品企画のプロセスそのものに問題があるのかもしれない。

 

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 <参考文献>
どん底時代のスティーブ・ジョブズの思い出 – Market Hack