充電インフラの整備は無駄~EV普及のシナリオはあるか

「盛り上がり欠くEV、充電普及に温度差」(Sankei Biz 2013/8/27)によると、充電ステーションがなかなか普及しなので補助金を増やしてテコ入れするという。充電ステーションが全国のスタンドに設置されたらEVは普及するだろうか。仮にそんなニュースを近所のオバチャンに聞かせても「ふーん」で終わり、次に選ばれるのは燃費のよい軽自動車に違いない。

 

 EVを普及させるためには、乾電池を扱うように誰でも簡単に電池交換できる仕組みが必要だ。電池は1個10kg以下にして規格を統一し、どのメーカのクルマでも使えるようにする。電池はクルマ1台に10個以上積まれ、プリンタのインクカートリッジのように誰でも簡単に交換できるようにする。
 これなら山奥過疎村の老夫婦が経営するガソリンスタンドにも充電済みの交換電池を置くことができる。充電は1個単位でできてホームセンターにある数千円の充電器が使えるようにする。バッテリの劣化状態を目で見て分かる仕組みも必要だ。何度も使われてくたびれてきた電池はその分安く提供され、 ユーザーは値段をみて充電済みの電池を選択できる。赤い点滅表示が出たらリサイクル(再生)にまわされる。電池に要求されるのは、高密度化、低コストではなくて、再生リサイクル性、劣化診断表示機能、ロバスト充電機能、状態の異なる他の電池を混在してもうまく電流を取り出せる電流制御機能が主体になる。

 この仕組みはEVが現状抱える多くの課題を解決するが、国策で推進しないとベタープレイスのように失敗するだろう。この方式の欠点は交換が煩雑なことだが、エネルギー密度はどんなに頑張ってもガソリン並になれないし、飛行機の電池がよく煙を出すようにエネルギー密度を高めれば電池は危いものになっていく。
それでも頑張って電池交換式のEVを推進しても、消費者が買うとは限らない。燃費が良くて価格の安いガソリン車がいくらでもあるからだ。そう考えると、やっぱりEVの普及は無いように思えてくる。

 

 将来ガソリンは枯渇し、車両の電動化が進むというシナリオはあるだろうか。ガソリンが無くなりそうになったら、他の炭化水素から人工合成すればいい。枯渇して困るというケースはなさそうだ。
FCEVも実現性に乏しい。水素は貯蔵が難しい(ボンベに詰めても分子の隙間から漏れ出して減ってしまう)。そこで既存の燃料を改質して水素を得て、燃料電池で電気に変えてモータを駆動して・・なんてことを考えている。そんなことをやってるヒマがあったら素直に最初の燃料を燃やして走ったほうが良くないか。
今後半世紀のエコカーを担うのは、EVではなく、FCEVでもなく、HEVでもなく、先進的なターボディーゼルエンジンを積んだ軽自動車ではないかと私は思う。

 

 EVの普及予測はいろんなところで目にする。○○研、○○省が出す予想やロードマップはほとんど参考にならない。これらは自分で考えたものではなく、調べた結果をまとめたものにすぎないからだ。名高い専門家集団が合意して出した予測は、現在の延長で誰もが想像つく無難なもの。目を通す価値もない。高額な本やセミナーの情報も参考になることは無いといっていい。
 資料に出てくる数字も参考にならない。統計学的に扱うべきものを単一の数値で示しているからだ。数字大抵、資料を作る側に都合よく解釈されており、正規分布の中央とは限らない。橋やテーマパーク建設で見るソロバン勘定と同じだ。

 正しい予想をして正しい行動をとるためは、消費者の視点が欠かせない。その上でどうするか「自分の頭で」考えることだ。「あの天下の○○がやっている、ウチも今のうちにやらないとバスに乗り遅れる」こいういう行動は最も間違っている。

 

 最初に戻ると「充電ステーションを普及させよう」という方針は自分たちの都合だけで進めようとしているのではないか。消費者不在の行動には失敗のオチしかない。EVなど普及しないと説いてきたが、いまやそれが確定しつつある。

 

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<参考記事>
盛り上がり欠くEV、充電普及に温度差
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