ミジンコの培養6~小規模培養はなぜうまくいかないか

 ミジンコの培養においてエアレーションが害になることが知られている。その原因は強い水流[1]や気泡の破裂といわれているが、ミジンコが水流や気泡の破裂で弱るところを見たことが無い。エアレーションが害になるケースは脱皮のときではないか。脱皮のときに水流があると体を傷つけたり損傷を受ける。セミが脱皮する際も「手伝ってやろう」などと手を出すと体を傷つけたり死んでしまうことがあるが、これと同じ。強すぎる水流の中で脱皮すれば、脱いでいる途中の殻が引っ張られて手足がもぎ取られそうなことは容易に想像付く。

 

 現実の培養では溶存酸素を増やし、水面に発生する植物プランクトンの膜を防止するためにエアレーションが不可欠になる。過去様々な実験をしてきたが、今年はエアーストーンを水面付近に固定した「水面エアレーション」を検証してみたい。

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水面エアレーションとはエアーストーンなどを水面付近に配置するだけ。水面を波立たせることで止水域が増え、溶存酸素が増え、ミジンコの損傷を防ぎ、植物プランクトンの膜を防ぎ、蚊にタマゴを生ませにくくできる。

 培養が小規模ほど難しいのはアクアリウムと共通する。

 

 ミジンコの培養ではエサの課題もある。「ペットボトルで高密度培養に成功した」という話も聞くが、大抵は1回きりで、再現できない場合が多い。去年まではクロレラをまず培養し、その後ミジンコを入れるカスケード培養がうまくいっていたのだが、今年はなかなか増えず苦労している。原因まだはよくわかっていない。

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写真は春先に実施した加温培養設備。冬場保存しておいた休眠卵を孵化させ、5月から本格スタートさせる。右は孵化したミジンコ。

 

クロレラを使ったカスケード培養ではクロレラの培養に使った肥料(窒素、アンモニア)が水質を悪化を早め、ミジンコを長く培養できない課題がある。これを改善する決め手がクロレラの濃縮で、カスケード接続しなくてもエサとして投入が可能になる。現在、凝集剤を使った実験と技術の確立に取り組んでいる。

 

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<文献>
1.ミジンコ類の大量培養技術の開発と魚介類幼生への餌料効果に関する研究

 

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