PC パソコンデスクの選び方~ガラクタ商品をDIYで補強して使える物に仕上げる

 OAデスクで1万円前後の商品は見てくれだけで構造的に問題あるものがほとんど。これをDIYで補強して「使える」デスクにする方法をご紹介する。

 

一般家庭で使えるOAデスクがない

 一般家庭では奥行600前後、高さ700が使いやすい。このサイズで、シンプルで、ガッチリしたものが候補になる。そんな机なら沢山あるだろう、そう思ってアマゾンを探しても該当する商品が一つもない。

 木製の組立式はほとんどがMDF(中密度繊維板)で、組立てると一応「形」にはなるが剛性や耐久性は期待できない。スチールデスクは骨組みが細くグラグラなものがほとんど。

 

オフィス用品では奥行700以上が標準

 オフィス用品に目を向けても候補が見つからない。JOIFA会員のメーカー品(イトーキ、オカムラ、コクヨ、ウチダなど)から選べば、剛性や耐久性の面で問題になることはまずない。しかし奥行きが大きく(700が標準)、デザインが一般家庭になじまない。

 ルミナスなどのスチールラックも候補になるが、相変わらず天板にいいものがない。

 

MDFの天板はたわんでしまう

 OA机の天板はメラミン貼りがベスト。次点がムクもしくは集成材にラッカーもしくは自然塗料仕上げになる。前者はオフィス用品で普通に見られる仕様、後者は高級家具に見られる。

 一般に普及しているMDFはクリープ(荷重でたわみが増えていく現象)が避けられない。ディスプレイが重いCRTだった頃はこれが大問題で、1cm以上たわむことも珍しくなかった。

 スチールフレームを持たないMDF天板の連続耐荷重は、公称耐荷重の1/10以下とみておきたい。木製は引き出し無しとするのが基本(天板が薄くなって耐荷重が犠牲になるため)。

 

家庭用OAデスクはDIY前提で導入する

 楽天やアマゾンの商品を見て思ったのは、デスクやチェアが使い捨ての消耗品で、値段以前にまともな商品そのものが作られていないこと。そんな机でもDIYで手を加えれば使えそうな商品がある。どうやら、奥行600の机はDIYが前提になりそうだ。

 

OAデスクの実例

 

MDFのパソコンデスク

材質がMDFでできたパソコンデスクの例 写真は1万円前後で売られているMDFのパソコンデスク。ナイロン埋め込みナットとカムロック接合のため、そっと使えばバラバラにならないで済む程度の剛性しか無い。

 木製の組立机は何を選んでも似たようなもの。この商品の唯一の救いは天板がメラミン含浸であることで、剛性の弱点を改善すれば使える机にできる。

 

MDFの天板裏に鉄のLアングルを追加した様子 MDFの机は木工用ボンドをたっぷり使って組み立てる。写真はクリープ防止のため、天板裏に鉄のフレーム(30mmのLアングル)を追加した様子。

 テーブルと金属の接合は2液混合形のエポキシ系接着剤を、他はすべて木工用ボンドをたっぷり使って接着する。

 

 これらの補強によってぐらつきが完全に解消。触るとガッシリ感が手に伝わってくる。グラグラのMDFデスクも少し手を加えるだけで見違えるほど堅牢になる。

<参考>
 エポキシ系接着剤は硬化が早すぎないものを選ぶ。Lアングルは手前から60mm奥に設置すると手前にいろいろなものが固定可能になり便利。

 Lアングルの固定はビスと併用するが、長いビスを使って天板を突き破らないよう注意する。天板が薄くてビスを打てない場合は、棚受を補強部材の支えに使うといい。

 

ガラス天板のラック付きデスク

 

スチールパイプとガラス板でできたデスクの例 写真は細いスチールパイプの骨組にガラス板を乗せだけのラック付デスク。金属やガラスはクリープの心配が無いが、前後方向の剛性が弱く、グラグラ。

 この手の商品はラック部にデスクトップパソコンの収納にちょうどよいスペースを作れる。パソコンは床に置くと振動でHDDが痛み、机に置けば邪魔になるのでありがたい。

 

 前後のぐらつきは左右に膜板を追加すると改善するが、鉄の角パイプだとDIYの難度はやや高い。

 ガラス天板はマウスが使えないほか、コップなどを置いた時に音が出る問題がある。これは適当なデスクマットを敷いて改善できる。

 

ルミナスのスチールラック

 ルミナスのパーツを組み合わせて作る机の強度はきわめて高い。

ルミナスの天板に天然木を取り付けた例 天然木を取り付けたルミナス天板の裏側

 ルミナスは天板によい部材がない。写真は集成材を制振材(すべり止めシートなど)を挟んで裏からビス止めしたもの。仕上げはとの粉+自然塗料。

 クロムメッキの表面は透明防錆塗料でコーティングしておくと水に強く長持ちするデスクになる。

 

業務用ミーティングテーブル(2018年8月追加)

業務用ミーティングテーブルの例 27インチの大型ディスプレイを置くために業務用のミーティングテーブルを導入した。スチールの骨組みにメラミン貼りの天板。とても堅牢にできている。

 写真はアイリスチトセ(JOIFA会員)のミーティングテーブル。1200×750を2台並べてある。ちょっと大きいが、大型ディスプレイではある程度の奥行が必要になる[1]

 

ミーティングテーブルの下に椅子の肘を入れて隙間を見たところ ミーティングテーブルを買うとき注意がいる。写真のように端までフレームがあるタイプはチェアの肘との隙間が小さい。肘に手を置いたまま椅子を引くと指を挟む。

 挟まないよう肘を下げると今度は低すぎて肘の役目を果たさない。ミーティングテーブルと肘付き椅子との相性は悪い。

 デスクの端にクランプするタイプの本棚や照明器具を付けられないことも承知しておきたい。

 

 

業務用ミーティングテーブル2(2018年11月追加)

天板のフレームが奥に配置されたミーティングテーブルの例

  カグクロ㈱オリジナル商品  TKシャープタイプ(W1200×D750×H700)

 こちらは天板のフレームが端から避けている構造のため、肘に手を置いたまま椅子を入れても手を挟まない。クランプ型の照明器具も取り付け可能。

 強度も十分ありお勧めできる。天板はメラミン張り。上記のアイリスチトセと全く同じ仕上げだった。

 

テーブルと同じ仕上げ材でできたデスクワゴンの例 サンワダイレクト100-SNW017BR 本体が上記2つのテーブルとまったく同じ仕上げのデスクワゴンを見つけた。スチール製に比べると少々弱いが、一般家庭のインテリアによく合う。

 

 

<参考購入先>
メラミン天板の机 補強して使える机を作れます
ラック付デスク デスクトップパソコンが綺麗に収納できます
デスクマット ガラストップの机では必須になります
Lアングル MDF天板の補強に有効。金ノコで必要な長さに切って使います
300mmの棚受 幅900以下の天板に使えます
エポキシ系接着剤 金属とMDFの接合に使う接着剤。硬化速度が遅いものが使いやすいです
フロアシート キャスターによる傷つきを防止します

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