鉄のフライパンでヤキソバを焦げ付かないよう炒める

ヤキソバを調理する際の課題にフライパンの焦げ付きがある。これは特に鉄のフライパンで問題になる。ヤキソバやご飯のような炭水化物は、加熱した鉄に対して基本的に焦げ付く。ではなぜプロは焦げ付かないで調理できるのか。今回はこの秘密を解明する。

 

DSC01264a 鉄のフライパンの底にくっついてしまったヤキソバ。最初に底が焦げ付き、そこにさらにくっついて堆積し、無残な結果に終わる。

 ネット上にはヤキソバの焦げ付きに関する様々なアドバイスがある。よくあるのが「事前に両方を十分加熱せよ」というもの。実際やってみると、うまくいく場合といかない場合がある。結果に違いが出るのは、温度のほかに別の要因がある為と考えられる。

 

 

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 以前やったチャーハンの実験ではタマゴに含まれるレシチンの界面活性作用がフライパンの焦げ付きを防いでいた。そこで、油に少量のタマゴを入れて焦げ目が付くまで加熱し、ヤキソバを炒めてみる。結果は成功。タマゴレシチンの威力をあらためて確認した。

 しかし、普通はこんなことしてない。今までは「新品のキャノーラ油」を使ってきたが、ここふと、天ぷらの残り油があるのを思い出した。天ぷらの衣にはタマゴが使わる。もしかしたら、レシチンが溶け出しているかもしれない。早速やってみる。

 

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天ぷらの残り油でフライパンを「油返し」して、ヤキソバを炒めてみた。結果は成功。

 今までは良かれと思い調理に新品の油ばかり使ってきたが、鉄のフライパンでは揚げ物に使った使い古しの油がいいようだ。油の臭いが気になる場合は油返しだけに使い、調理は新品の油を使えばよいだろう。

 

 油は本来、鉄とはなじまない(弾いてしまう)。そのため、純粋な油は錆び止めに使えない。界面活性剤を含まない油に防錆効果がないことは、以前やった実験で見てきた。これと同じで、新品の油を使って油返ししても、焦げ付きを防ぐ効果は生まれない。
 「新品の油を使った油返しは意味ない」「揚げ物に使った残り油がベスト」。これが今回の発見だった。

 

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 泡立ちのよい使い古しの油はレシチンを豊富に含んだ「黄金の油」。これ無しで焦げ付かない調理をするのは難しい。鉄板焼きやタコ焼きなど、あらゆる焼き物で使えるうえ、道具を長持ちさせる。

 

 

 洗剤の汚れ落ちが温度が高いほど良いように、油に含まれるレシチンも温度が高いほどよく働くと考えられる。冒頭で書いた「事前に十分加熱せよ」というアドバイスもレシチンの作用を考えれば理屈が通る。「高温にしても焦げ付いた」という失敗もレシチンを含まない新しい油を使った結果なら辻褄が合う。

 

 もしかしたら、この油を使えばタマゴなしでもパラパラチャーハンが出来るのでは? そう思ってやってみたが、やはりタマゴの補助がないと厳しい。ごはんは界面活性剤の働きを助ける「かんすい」を含まない為、やきそばよりも焦げ付きやすいようだ。

 

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