高圧洗浄機の選び方

年末の大掃除シーズンを控え今頃掃除道具を物色している人が多いと思う。最近は高圧洗浄機やスチームクリーナーが安くなり、今まで落とせなかった汚れのクリーングが手軽に出来るようになってきた。

 この手のクリーナーは確かに、今までできなかった洗浄ができる「驚き」を体験できるが、洗車が趣味でもない限りそう頻繁に使うものではない。価格は1万円前後のものが候補になりそうだ。3万円を超える商品が必要な場合はレンタルも検討したい(2泊3日 4千円~)。

 

高圧洗浄機の市場

 家庭用高圧洗浄機はケルヒャー(ドイツ)がスタンダードといえそうだ。ケルヒャーには沢山の商品があり、国内メーカーもケルヒャーに似せた商品を多く繰り出す結果、市場は良く似た商品であふれかえっている。皆ケルヒャーを真似て黄色く作るから、高圧洗浄機といえば黄色という、奇妙なスタンダードが出来ている。

 

洗浄能力は何で決まるか

 高圧洗浄機の選択は難しい。パワー(吐出圧力)が第一のポイントになるが、自分がやりたい掃除にどのくらいパワーが要るのか、といった肝心なところが不明なためだ。8MPaとかいわれても消費者にはサッパリわからない。ヒダカでは圧力×水量を「洗浄効率」と称しているが圧力や水量の数字自体がアテにならないので参考程度としたい。
 洗浄能力の指標として最もアテにできる数値が「消費電力」になる。高圧洗浄機は1万円前後で消費電力が高いもの、かつ常用吐出圧力(連続運転が可能な圧力)が高いものを選びたい。
 能力はホースの長さや水栓に直結できるか否かによっても変わる。水栓に直結できるタイプは水道圧をプラスαできるのでタンク式より有利になる。ホースは短いほど圧力損失が減り能力の面で有利になる。このことは一次側(水栓側)、二次側(ノズル側)に共通して言える。水栓側はできるだけ太いホースを短く使って水栓を全開とすることで最大能力を引き出せる。
 ケルヒャーの性能は確かに優れるが、ブランド商品のためか割高に感じる。ヒダカ、アイリス、リョービから同等の性能のものがより安い価格で入手できる。

 

ユニバーサルモータとインダクションモーターの違い

 高圧洗浄機に使われるモーターには2種類ある。ブラシ式のユニバーサルモーターと、誘導式のインダクションモーターだ。両者の寿命にはかなりの開きがあり、前者は数百時間(ケルヒャーでは200hrという噂)に対し、後者はこれより一ケタ以上長い。50Hz/60Hz別々の商品が用意されている場合インダクションとみて間違いない。インダクションのデメリットは、大きく、重く、高価なことで、値段と重さは同じ能力のブラシ式と比べ1.5倍~2倍違う。パワーは消費電力が同じであれば同等と考えてよい。

 ブラシ式の寿命を仮に200hrとしても、毎週25分運転して10年なので寿命が問題になることはなさそうだ。高圧洗浄機は軽くて安価なブラシ式が一般家庭に向いている。
 寿命はモーター以外にシール、ベアリング、プランジャーポンプなども関係する。高額な機種ではモーター以外にもそれなりに良い部品が使われていると推察でき、利用頻度が多い人はインダクションの上位機種を選ぶのが正しい。

 ※:高圧洗浄機が汚れを落とす原理は水滴の衝突でなのでこの水滴の運動エネルギーが大きいほど洗浄力が高いといえる。この運動エネルギー(洗浄力)と流量や圧力との関係は次のようになる(同じノズルを使った場合)。
 洗浄力∝流速2 , 流速∝流量 , 流量∝圧力0.5
 この関係から解かるように、結局洗浄力は圧力に比例する。なので高圧洗浄機は基本的に圧力の高いもの(消費電力の大きいもの)を選ぶのが正しい。但し、流速はノズルの断面積に反比例するので、取付けるノズルによって洗浄力が変わることに注意。

 

 

実例

DSC01272a 写真は高圧洗浄機FBN-606(アイリス)  。ブラシ式で常用8.5MPa  1300W。軽量コンパクトで持ち運び容易。色は落ち着いたイエローで安っぽく見えない。我が家の外回りは水栓とコンセントに困らないので、水栓直結タイプを選択。このような環境にない場合はタンク式が便利。

 FBN-606の動作音は不快な音ではない。使う本人は大きく聞こえるが、水が出ているときだけモーターが回る仕組みなうえ、本体が小さい(音響パワーが小さい)ので少し離れるとすぐ減衰する。作りに特に問題は見当たらずパワーも十分。手作業だと苦労するガラス水槽に付いたコケも落とせる。

 

 付属品のフォームランス(洗剤用)はジョロジョロ出るだけで洗剤が飛ばない。圧力を落としすぎている。アイリス AB変換コネクター経由でケルヒャーのフォームノズルをつなげて使うとよい。

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洗剤洗浄するノズルをテストしている様子。写真左:アイリスAB変換コネクタ+ケルヒャーフォームノズル、写真右:アイリス付属フォームランス。ケルヒャーのノズルは勢い良く飛び遠くのフェンスまで届くが、アイリスはジョロジョロ落ちるだけでノズルを使う意味があまりない。ケルヒャーフォームノズルの希釈倍率を実測するとちょうど10倍。これを見込んで洗剤の濃度を調整すると良い。

 

DSC01300b

フォームノズルと高圧洗浄でクルマに指一本触れずに洗える。これまでどうしても避けられなかった洗車によるスリキズが付かない。画期的だ。クルマを末永く綺麗に保ちたい人にとって、これほど良い道具は無い。

 

 

 

<参考購入先>
高圧洗浄機 LEDもそうですが、アイリスの家電は公称スペックよりやや良いものを作っている印象があります。

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