コンクリートの欠けを補修する

DSC01313b ドブ板やブロックなどのコンクリートが欠けた部分を補修したいことがある。これに対し、ホームセンターに売っているセメントや補修材を使ってもうまくいかないことが多い。

 写真は外構工事のとき重機が乗って割れた部分。このように薄く割れたところの補修は難しい。モルタルやセメントは基本的にコンクリートと接着しないので、これらを薄く塗りつけても硬化するときに収縮して剥がれてしまう。ここは過去何度もトライして失敗を重ねてきた。

 

 

 

モルタルは接着剤ではない

 コンクリート構造物では「打継ぎ」部分が大きな弱点だという。ここはヒビ割れや水漏れ、鉄筋の錆びなど、トラブルの原因になっている。
 打継ぎ部の接着で頼れるのは、チッピングによるアンカー効果(凹凸に入り込むことで取れなくなる効果)のみ。モルタルを併用することがあるが、これは継ぎ目が目立たないよう、見た目を整える役目しかない。

 

薄塗できるモルタル

 NSゼロヨンという薄塗出来るモルタルがある。塗り厚に応じて品番を選ぶ形になっていて、#20は塗り厚0~5mmに対応した商品。NSゼロヨンは基礎の仕上げモルタルに広く使われており、補修で色違いを生じない。

 

DSC01310b DSC01304b

 写真はNSゼロヨン(日本化成)。 写真は25kgの袋。個人のDIYでは使い切れないが小売されていない。

 NSゼロヨン#20を顕微鏡で見ると、軽量骨材(パーライト)や砂、繊維が見える。砂の粒子はとても細かい。よくあるDIY用の補修材と違って強度もそれなりに期待できそう。強い塗り付け奨励しているのはパーライトの粒子を潰すためだ。

 NSゼロヨンは写真にあるNSハイフレックスHF-1000を混ぜて使う。ハイフレックスは酢酸ビニール樹脂(木工用ボンドを薄めたもの)。これは水分の移行を防ぐシールと保湿をするだけで接着剤の働きをするわけではないことに注意。アクリル系の接着補強材も基本的に同じ。これらは JIS A6203で規格化されている。
 保湿材は他にメトローズ(右)がありこれも良く使われる。こちらは水を含むと膨潤して大きく膨れ、ゲル状になる(今回は使わなかった)。

 

DSC01320-2 DSC01314b 

 左はNSゼロヨン#20+ハイフレックスの硬化物。事前に硬化物を作ることで硬化時間、強度、収縮、割れなどの様子を見たり、補修相手との比色に役立つ。10mm厚から徐々にゼロに伸ばして作ったが、割れなどは見られない。水平面なら10mm厚も問題なさそう。

 右はNSゼロヨンとハイフレックスを使って補修した結果。コテを使って納得いくまで形を整える。作業性、成形のしやすさ、仕上がりなどに問題はなく、たいへん使いやすい。

 NSゼロヨンは乾燥すると母材から取れなくなるが、これも母材に接着されたのではくアンカー効果で母材の凹凸に引っかかっているだけ。ハンマーで叩けば取れてしまうはず。

 

施工は季節と時間帯に注意

 屋外のコンクリート補修は乾燥によるドライアウトが課題。薄塗りは特に注意が要る。
 コンクリートの施工は作業に適した時期と時間帯がある。時期は秋~春を選び、午後から作業を開始して夕方に終わらせ、夜間に養生するのがよい。
 冬は凍結が問題になる。養生している時間に凍結しない気温のとき作業する。

 

余ったモルタルの処置と長期保存の方法

DSC01316b 自宅でモルタルを練ると問題になるのがその後始末。庭に穴を掘るか、掘れない場合は、写真のように植木鉢に入れた土で濾過して固める。固まったら塊を取り出して埋めるゴミに出す。

 

 モルタルの賞味期限は製造後3ヶ月。放っておくと湿気と炭酸ガスに反応して風化していく。ビニール袋は湿気やガスを透過するので風化を止めることはできない。長期保存するにはシリカゲル同様、ガラスや鉄の缶に入れて密封する必要がある。

 DSC01317b個人のDIYでは空いた一斗缶や梅酒ビンが使える。右は大きめのガラス瓶(100均)にNSゼロヨンを入れ、不乾性パテでキャップの周りを密封したところ。

 

 

<参考購入先>
ネオシールB-3 完全密封保存に使える不乾性パテ。屋外の防水、防錆、紫外線保護にも使えます
NSゼロヨン  #20がお勧め
NSハイフレックス  HF-1000