家電の延長保証は必要か~イートレンドに見る保証の実態

 家電に「延長保証」を付けられるショップが増えてきた。 「延長保障を付けておけば、販売店に送るだけで無償修理されて帰ってくる」これが消費者が思い描く延長保障の理想だ。しかし実態は大きくかけ離れている。
 今回はたまたま、保証期限ギリギリでノートパソコンが壊れたので、保証を申請してみた。そこでわかった延長保障の実態は、とんでもない内容だった。

 

実行が難しい申請手続

 イートレンドで買ったノートパソコンが壊れたので、延長保障のお問い合わせフォームから保証の申請をしてみた。しかしそこは保証の受付ではなかった。別の窓口を紹介されたので、そこへ連絡。すると届いたのは、延々140行にわたる申請手順だった。何回読み返しても良くからない。140行を2行にまとめると、たぶん次のようだ。

 

 保証の適用を自分で判断して、諸経費を自分で払って修理見積をとり、申請書類を書いて、写真を添付し、申請しなさい。それを見て、保証するかどうかこちらで判断し、保証する場合は修理代の一部を支払います。その場合、免責3000円差し引きます。

 

この仕組みにはいろんな問題が見える。

・手続きをすべて自分でやらなければならない。
・手続きが複雑かつ煩雑すぎて、一般消費者が理解し実行可能なものになっていない。
・自己負担金が最後にならないとわからない。そのため金額に応じて修理するかしないの判断ができない。
・保障適用の判断が自己責任になっている。経費を自腹で払いながら手続きを進めても、保障代金が支払われるとは限らない。

 イートレンドの延長保障は販売店に都合よく出来ていて、消費者のために用意された仕組みに見えない。申請を断念させるよう、わざと手続きをわかりずらく面倒にしているように見える。
 実店舗を持たないネットショップの多くは保障を別会社に投げているところが多い。故障したといって連絡すると、これと同じ結果、すなわち「保障会社に連絡してね」で終わることが多い。

 

保障されても半分以上が自己負担

 保障を適用して修理に出すといったいいくらかかるのか。イートレンドの延長保障ではこの最も知りたいことが、最後にならないとはっきりしない。そこで、今回故障したレノボのノートパソコン(Gシリーズ)を修理に出したケースで予測してみた。

 このパソコンの購入価格は43,000円、延長保障のために払った料金は2,150円。
 レノボの修理費は、交換する部品によって違い最安23,000円。液晶パネルは5万円以上。

 イートレンドの保障上限は購入価格の40%(17,200円)。これに免責(3,000円)や、最初に払った保障費用、メーカーに見積もりに出すための諸経費を差し引くと、修理代の元本は11,000円くらいになってしまう。苦労の末めでたく保障が適用されても、修理代の半分も充当できないものだった。

 

保証会社が消えてなくなるリスクもある

 量販店には延長保証を専門の会社に投げているところがある。専門の保証会社なら安心だろうか。例えば「ワランティマート」は今年の3月末に民事再生手続をしている。幸い支援先が見つかったが、見つからなければ保証共々消えてなくなるところだった。

 

結論~延長保証は必要ない

 家電が壊れた。延長保障を付けたのを思い出して調べてみたら、半年前に切れていた・・これは実際よくある話だ。延長保証の期間と金額は、過去の統計データーをもとに保証会社が損にならないよう計算して出されたもの。ということは、延長保障の期間内に壊れる確率は低く、長い目で見ると修理して支払った代金よりも、延長保証を付けて支払った代金の方が多くなるのが必定だ。
 従い、何かと問題が多く手続きの煩雑な延長保証は、最初から付けないほうが良いといえる。家電などの低額商品に保証を付けるのは、ほとんど無駄なことだ

※延長保証が有効なケースが3つある。実店舗を持ち、修理品を持ち込める量販店の場合。壊れると修理代が高額すぎて困る場合。保証会社が把握していない故障頻度の高い商品の場合。例えば目詰まりしやすいエプソンのインクジェットを、どーしても買いたい場合だ。

 

 ところで、なぜ役に立たない保障が存在するのか。

 ネットで簡単に価格が比較できる現在は極限まで利益を切り詰めた薄利多売の世界だ。その中で、「延長保障」「交換保障」「相性保障」といった仕組みを用意して一緒に買ってもらえると、その分を利益にできることがある。ほとんどの人は保障に入るとき内容をよく調べないし、実際に適用した人の感想を聞く機会もないから、簡単にカートに放り込んでしまう。物によっては1台売って2台分の利益が出る。販売店にとっては、おいしい商品に違いない。

 

延長保障は「参考」にするもの

 延長保証は「付ける」のではなく、「参考」として活用するのが正しい。例えば長い延長保障に加入できる商品は、それだけ信頼性が高く「壊れにくい」商品の証だ。消費者には把握する術が無い信頼情報をタダで提供してくれている。これを商品選びに活用しない手は無い。
 延長保障には落下水没など不注意をカバーするプランもある。これに魅力を感じて保障を付けたいと考える人もいるようだ。「私はすぐぶつけたり落とすんですよ」そういう、そそっかしい人は、それを保障でカバーするのではなく、運用でカバーする工夫をお勧めしたい。

 

パソコンの賢い買い方

 パソコンやデジカメは3年で陳腐化し5年でゴミ同然になる商品だった。最近は性能の伸びが頭打ちになり、もう少し長くなってきたが、私の考えでは、4万円台の商品を3年くらい使ってヤフオクなどで売却しながら買い繋いでいくのがもっともいいように思う。
 パソコンの延長保障は通常3年。ということは、3年過ぎると故障のリスクが増すことを意味している。この方法で年間コストは間違いなく1万円を切るし、ほとんど故障せず快適に使っていけるはずだ。

 

<参考購入先>
5万円未満のノートパソコン パソコンはこの中から選ぶとよいでしょう

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<参考:万一壊れたときの修理代を安く抑える方法>

 延長保障の期間中は故障のリスクが少ないといっても壊れるときは壊れる。そのときは下記の方法を参考に、できる限り修理費をを安く抑えてほしい。

・モノを買った販売店ではなくサービスセンターに持ち込む
 販売店を経由すると修理するしないに関係なく経費(3000~5000円)が余分にかかる。

・自分で運べないものはメーカーの窓口ではなく、そこの修理をしているサービス会社に直接連絡して来てもらう
 メーカーの窓口を経由するとサービス会社がメーカーに払う上納金(3000~5000円)が余分にかかる。サービス会社の中には直接依頼を嫌がるところがある(メーカーを通してくれないと困るとか言われる)。担当者と仲良くなっておいてケータイで直接相談できる形にしておく。

・新築住宅に関するものは工務店経由で修理をお願いする
 新築で導入したものは丸ごと工務店が面倒を見る。メーカー経由より、こちらの方が費用がかからない場合がある

・自分で修理する
 DIYに自信があれば自分で部品を取り寄せて修理すると最も安くつく。時間をかけて納得いくまで丁寧に直すことも可能だ。安全にかかわる物、特に電気系は注意したい。何が起きてもすべて自己責任になるので注意。

 

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