フライパンで人数分のオムライスを一度に作る方法

完成したオムライス オムライスは22cmくらいのフライパンを使うと作りやすい。しかし人数が多い場合、一度に作ることが難しかった。今回は一般家庭にある普通のフライパンを使って人数分を一気に作る方法をご紹介する。

 

 

材料(3~4人分)

バター
お米)1.5~2合
タマゴ Mサイズ6~8個(1人前2個)事前に常温に戻しておく
サラダ油 1人前あたり大さじ1
玉ねぎ 1/2 (Option)

 28cm~30cmのフライパンが使える。28cmでは3人前、30cmで4人前が限度。
 その他、広いエリアを手早く攪拌できる道具が必要。ナイロンか木のヘラが使える。 

 

作り方

バターライス

1.ご飯を炊くとき炊飯器にバター5gを放り込んでおく(事前にお米とあえる必要はない)

 バターの役目は香り付けなので、入れすぎないこと。

2.いつもの水加減で炊飯器で普通に炊く。

3.炊き上がったら黒コショウを少し振りかけて良く混ぜる。
 コショウは少しずつ振りながら混ぜるのがコツ。

4.ご飯を成形してお皿に盛りつける。成形はメロン型、なければお椀でもよい。傾斜がきついと卵がすべり落ちるので、上を平らにつぶしておく。

メロン型で整形したバターライス

Option(ライスの拡張)
 とろけるチーズ(100g)をフライパンで溶かしたのち、炊きあがったご飯を入れて混ぜるとチーズバターライス。
 普通に炊いたライスにケチャップを加え、塩コショウで味を調えると、ケチャップライス。
 バターの代わりにコンソメを入れて炊くとコンソメライス。

 どれを作るにせよ、卵の風味を殺さないよう薄味に仕上げるのがコツ。

 

卵を焼く

1.溶き卵を用意する。常温に戻した人数分の卵(1人前2個)に対し、砂糖1g加え、少しだけ混ぜて分散させる(混ぜすぎないこと)。

2.フライパンに人数分のサラダ油を入れて中火で良く加熱する(表面温度200℃が目安)。

3.フライパンを強火にして、すぐさま油の上に溶き卵を落とす。油が縁にある場合は縁に沿って回し入れる。

4.ヘラなどを使って手早く混ぜる。短時間で固まるので注意。

5.水蒸気が出てきたら人数分に分割してまとめ、火を切って予熱で底の部分を固める。

オムライスの卵が完成した様子

卵が焼きあがった様子 

こちらは失敗例。冷蔵の冷えた卵をそのまま使ったり、フライパンの温めが不足するとこのようなドロドロの仕上がりになる。事前に混ぜすぎると黄色の薄い仕上がりになる。

参考:砂糖を入れないで作った場合はここで塩を振る。ほんの僅か、ハラハラと分散させる感じ。

 

6.広いヘラを使ってすくい上げ、ライスの上に乗せる。

 掬う前に卵の縁を整える。卵を掬う道具は、幅の広いヘラが使いやすい。

 28cmのフライパンで出来た卵を3分割すると、厚くて小さい仕上がりになる。薄くて広い仕上がりにしたい場合は、2人前ずつ作るしかない。

 

7.ケチャップ、もしくは事前に温めたデミグラスソースをかけて完成。付けあわせは、コンソメブロックで作る~本格野菜スープの作り方[1]か、レタスのサラダが合う。

完成したオムライス

 

Option(ケチャップソースの調整)
 ケチャップの酸味が強い場合、コンソメスープか、トマトビューレ+お湯で薄めるとよい。付けあわせにコンソメスープを作ってそれを使うと簡単。

 


 

調理のコツ(2019/1/25追記)

 広いフライパンで一度に沢山の卵を調理するためには、卵を常温に戻しておく、フライパンを事前によく加熱する、油の上に卵を落とす、強火で一気に火を通す、の3つがポイントになる。

 フライパンをよく加熱するといっても、フッ素のコートフライパンは耐熱限界低い(250℃くらい)ため気を使う。ガンガン加熱できる鉄のフライパン[3]をお勧めしたい。

 

放射率温度計でフライパンの温度を測っている様子 

 写真は放射温度計を使ってフライパン表面の温度を測っている様子。油を入れて中火(750W)で加熱すると200℃を超えてから温度上昇がゆっくりになる。これは200℃を超えると油が蒸発して熱を奪っていくため。

 「フッ素コートのフライパンは火力中以下で!」「必ず油を使ってください!!」といわれる理由がここにある。

 

なぜ人数分を一度に作ることが難しいのか

 一度にたくさんのタマゴを使うことでフライパンが冷えてしまうため。

 加熱した油に卵が接すると、卵に含まれるレシチンが油に溶け出して「くっつかない油」ができる。レシチンの働きは温度が高いほど良い[2]

 フライパンが冷えてしまうとそのレシチンの働きが弱まり、フライパンの底に固まった卵がこびりついてしまう。それを剥がしながら混ぜることで、塊が混じったボソボソの仕上がりになってしまう。

 小さなフライパンで1人前ずつ作るとよいのは、一度に使う卵が少なく、フライパンが冷えにくいため。

 

牛乳、塩、バター、生クリームの添加ついて

 余計なものは入れなくてよい。

 牛乳を混ぜると卵の凝固を遅らせて作りやすくなる。これは味に寄与しない調整剤。入れた分だけ卵が水っぽくなり、出来上がりも白っぽくなる。

 塩を混ぜると凝固温度が下がって難度が上がるといわれるが、実感としては大して変わらない。ちょっぴりで塩辛くなるので量に注意。0.5%が上限(卵2個で約100gなので0.5gが目安)。焼いたあとからハラハラ振りまいた方が良い。

 バターを入れるとフライパンを加熱するうちに焦げてしまう。バターを使う場合はサラダ油と混ぜるか、卵を焼く直前に加える。香りが付けばよいので、入れすぎに注意。

 生クリームを添加すると味と香りがまろやかになる。しかし中クリームは開封すると傷みが早く、1パック使いきれない。

 

高い卵は美味しいのか(2019/1/25)

 この料理は卵がポイント。スーパーの一番安いパックに対し、数倍の値段の商品があるが味の方はどうだろう。いくつか買って試してみた。高価な卵は殻が厚く、割って皿に取り出した見た目もかなり違う。

いろいろな卵で作ったスクランブルエッグ 焼いた結果は大して変わらない。味は、塩分や油、ケチャップの影響の方がずっと大きい。

 専門店ではどんな卵を使っているのか、わからないが、一般家庭ではスーパーのパック卵で十分。

 甘みを増やしたい場合は高価な卵を求めるのではなく上記した砂糖を加えるのが簡単。

 

 

家族の反応

 オムライスにはいろんなバリエーションがある。これまでいろいろ作ってきて、我が家はごく普通のバターライス+ケチャップソースが最も好まれた。

 私個人はチーズライスが一番おいしく感じるが、子供の評判はいまひとつ。「ネチャネチャして気持ち悪い」だった。バターライスに玉ねぎを省略したら、子供からクレームが来た。

 チキンライスにする手もあるが、このメニューはシンプルに作って素材本来の味と香りを楽しみたい。

 周囲の要望に応えるのは難しいが、どんな料理も食べてくれなければ意味がない。たとえ子供の意見でもフィードバックして改善に努めることが大切だ。

 

<参考購入先>
卵料理に適したフライパン
メロン型 食べやすい形に成型する道具。子供の食いが違います
ケチャップ 卵によく合うベーシックソース。こだわりたい部分です

<関連記事>
1.コンソメブロックで作る~本格野菜スープの作り方
2.IHと鉄のフライパンでパラパラチャーハンを作る
3.IHで鉄のフライパンを使う