怪しい麦飯石と関連商品

石英斑岩の標本写真

出典:岩石鉱物(保育社)

 麦飯石を最初に見たとき、火成岩の一種であることはすぐにわかった。図鑑で調べると石英斑岩(写真)か花コウ斑岩。どっちにせよ、建材などで使われるありふれた岩石。いったいどんな特別な効果があるのだろう。

 鉱物の組成は、石英、長石がメインであり花崗岩とよく似ている。もちろん、これらの鉱物は水質には何の影響も及ぼさないが、微量のミネラルの溶出はありうる。

 カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは水の硬度を上げPHをアルカリに傾かせるから、水槽に投入すると硬水に変わってしまう。カラシンなど軟水を好む魚の飼育に不適当な水が出来てしまうかもしれない。

 多孔質な表面は有害物質を吸着すると言うが、普通岩石の表面は多孔質のものが多いので麦飯石だけの特徴ではない。いずれにせよ、このような微細構造はすぐに詰まってしまうのでメリットを期待するものではない。

 

 その他の能書き(魚や水草を元気にする云々)は根拠がない。

 この商品、アクアリウム用商品としてみた場合は単なる「砂利」として扱うのが適当だと思う。水溶液(実際は微粉末を分散させたコロイドの溶液)は研磨剤として働く可能性がある。パワーフィルターのモータや軸受を摩耗させてしまうかもしれない。

 

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