エアコンのカビを防ぐ~10年間やってみた対策と検証結果

 エアコンのスイッチを入れるといやな匂いと同時にカビの胞子がドバっとでる。エアコン用にいろんな消臭剤が市販されているが、これらは臭いを一時的に和らげるだけでカビの発生を抑える効果はない。最初からカビが生えないようにすれば匂わないはずだが、どうしたらこれを実現できるのか。

 今回は当館で長年取り組んできたルームエアコンとカーエアコンのカビ対策についてご紹介する。

 

ルームエアコンにカビがつく原因

 ルームエアコンはフィルタの性能が低すぎる。ほとんどのフィルタが網戸の目を細かくしたような、ペラペラの1枚板。目が粗くできていて、ザルと同じ。ここの構造は昔から変わっていない。

 つまりザルの網目を抜けた埃が熱交換器やファンに付着し、湿気を含んで黒カビの塊が出来ている。この低すぎるフィルタの性能を改善しない限り、エアコンの汚れやカビの問題は永遠に解決しない。

 クリーン運転は、カビが増える速度を遅くしているだけで、カビ防止が十分機能しているとは言い難いようだ。エアコンの次のブレークスルーは、フィルタの性能アップにあると考えている。

 

カーエアコンがカビ臭くなる原因

 エアコンを使ったあとエンジンを切ると冷やされた熱交換器や配管の内壁が結露して水滴ができる。この水がカビの原因の違いない。

 

カーエアコンのカビを防ぐ方法

 エアコン停止後、しばらく送風してやる。結露で生じた水分を蒸発させ、熱交換機やダクトの内壁を常温に戻してやる。水がなければカビは生えない。

 具体的なやり方は、目的地到着5分前にエアコン(AC)を切って送風に切り替えるだけ。エアコンを切って送風にすると、なま暖かい風が吹き出す。内気循環にしていると湿気がこもるので、外気導入に切り替えるか、窓を開ける。

 この操作はクルマを降りるたびにやる必要はなく、その日の最後に1回だけやればいい。

 

カーエアコン10年の検証結果

 上記の方法を、我が家のクルマ2台(プラッツとスカイライン)で検証した。クルマを手放すまでの約10年間実践して、カビの匂いとは無縁で過ごすことができた。

 

ルームエアコンにも応用できる?

 ルームエアコンもマニュアル操作で送風にすればカビを防げるはず。

 そう思って、停止するとき運転モードを送風に変え、5~10分後に運転停止することをやろうとした。しかしリモコン操作が面倒で徹底できなかった。

 

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(2014/9/2追記)ルームエアコンのクリーン機能は使えるのか

 ルームエアコンはカビの発生を防ぐと称する「クリーン機能」を搭載した商品がある。これも結局、熱交換機に付着した水分を飛ばして結露を防ぐ仕組みのようだが、動作を見ていると温風が出たり冷風が出たりして、乾燥を徹底できていないようだ。

 我が家はこの機能の付いた三菱製エアコンを2008年に2台導入したが、これまでの結果はあまり効果ない印象。結局2台とも下記のように分解洗浄するハメになった。

 

著しく改善されたクルマのフィルタ

 カーエアコンには2010年頃から高性能なフィルタが付くようになり、上記の操作をしなくてもカビが付かなくなった。

 点検の機会にフィルタを取って中を覗いていたところ、ファンや空気の通り道がとても綺麗で真っ白。カビなど何も見当たらない。

 フィルタの捕集能力が十分なら、カビがつかないことをクルマのフィルタが実証しているように見える。

 

エアコン分解洗浄の例

 カビがついてしまったエアコンを綺麗にする方法は、いまのところ分解洗浄するしかない。

 洗浄のタイミングはクリーン運転機能付きで5〜6年、なしだと2〜3年位。洗浄は自分でもできるが、掃除ロボット付きは構造が複雑なので専門業者に頼んだ方が無難と判断した。

 エアコンの掃除を業者に頼む場合はメーカのサービスに紹介してもらうのがよい。今回は三菱の系列会社に来てもらった。

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 フロントカバーをすべて取り払ったところ。ここまでバラすのが結構大変。2枚目は制御P版。ここに洗浄液が入ったら終わり。

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 洗浄カバーをしたうえで、手動蓄圧式スプレーで洗浄。こぼれた液体は漏斗のように集まって下のバケツに落ちる。カバーがないと掃除に専念できない。写真と同じような洗浄カバーは通販で買える。

 洗浄液は弱アルカリ性の界面活性剤で匂いはなかった。洗浄したらブロアで水気を吹き飛ばして完了。洗浄液は真っ黒。ロボット+クリーン運転機能つきでもカビが防げないことをこの汚れが示している。

 

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 外した部品は屋外で洗浄。作業にまる半日かかって料金は1.6万円。これも一つのマーケットなのだろう。

 エアコンの洗浄は自分でもできるが、しっかり洗浄するためには出来るだけバラして裸に近い状態にする必要がある。安いエアコンは十分ばらせなかったり、裏側に水が染みたりしてかえって難しいという。

 エアコンの洗浄を自分でやるためには構造が簡単なミドルクラスがよいようだ。10万円を超えると構造が複雑になるので、業者に頼むのが無難といえる。

 


 

エアコンの汚れを減らす方法

 エアコンの分解洗浄が避けられないなら、その頻度を減らすことを考えたい。そのためには、元々付いているザルフィルタの性能をアップさせることが必要になる。

 そのような目的に使える商品がある。3Mの「フィルタレット」。いくうかのグレードがあるが、今回は真ん中のグレード「赤い箱」を購入した。

 モノはPPの不織布。永久帯電してあるというが、よくわからない。確実にいえることは、メッシュの細かさがザルよりマシだということ。

 この商品の問題は、フィルタの目が細かいため目詰まりしやすく、目詰まりしたらオシマイの使い捨てだという点。そこで、この問題をプレフィルタで補う。水槽用のろ過マットがプレフィルタにちょうどよい。

 

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 下は施工の様子。ロボット付きエアコンの多くは上部に吸気口があるのでここに貼る。まずフィルタレットを弱粘着のセロテープ(3M 超透明テープ)で止め、ろ過マットを載せて養生用テープで手前と中央の横幅方向全部を押さえる。

 4枚のろ過マットが、まるでこの用途に作られたかのごとく、ぴったり収まる。

 目が荒く厚みのあるプレフィルタはなかなか目詰まりしない。メンテナンスフリーに近い形になる。

 

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 このフィルタ(フィルタレット+濾過マット)と、クリーン運転機能との合わせ技で、10年間、分解洗浄しないで良くなるかもしれない。

 ちなみにロボット付でないエアコンはフィルタレットをザルに前置するしかなく、濾過マットが使えないため十分な対策が出来ない場合が多い。

 


 

最後に

 これからのエアコン選びでは、カビに対してどのような対策を講じているかがポイントになりそうだ。また、フィルタがザルの場合は、上記のようなプレフィルタを追加できる構造になっているか、よく見ておきたい。

 最近の夏はエアコンが壊れると命にかかわる。夏は高負荷運転の連続になる為、故障しやすい。エアコンを選ぶときは値段だけで選ばず、アフターのしっかりした大手メーカーを選ぶことがポイントだ。

 

<参考購入先>
エアコン洗浄グッズ エアコン洗浄のDIYもポピュラーになってきました。クリーニング専用の養生ビニールまであります3M フィルタレット ありそうで無かった商品
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