あなたの知らない大排気量車の意外なストレス

 大排気量のクルマに期待される特徴に「豊かなトルク」「加速感」「走りの余裕」がある。ところが近年のクルマは、軽を除くと排気量が何Lであっても、普通にアクセルを踏んだ場合のパワーフィール(加速感)にあまり差がない。

 大排気量車をてフンパツして買ってみたものの、いざ走り出すと「アレ?」と感じる。アクセルを踏み込めば、それなりに速度が増すが、期待していた「豊かなトルク」「加速感」「走りの余裕」が感じられない。

 なぜこんな結果になってしまうのか。今回はこのあたりの事情と、大排気量車に固有の性質をご紹介したい。

 

コンパクトカーに劣る大排気量車のパワー感

 大排気量のエンジンに多段ATを組み合わせたクルマでは、パワー感が1.5Lのコンパクトカーより劣ると感じることがある。それは、重い車体をつねに高いギアを使って動かすよう、ATがプログラムされているためだ。

 例えば、アクセル開度小でゆっくり発進したときは、必要に応じて加速に移行したい場合がある。この場合、MTだとドライバーの意思でギアを2速あたりで止められるが、ATは勝手にシフトアップしてしまう。

 ATが多段になるほどきめ細かくハイギアを維持し回転を下げようとする。そのため低速で走行しているときは、いくらアクセルを煽ってもクルマが応答しない。それはまるで、「パワー抜け」したかのように感じる。

 それでも加速したいと思ったら、アクセルをしばらく踏みつづけて「キックダウン」させなければならない。

 

期待外れのパワー感と高い静粛性

 排気量が3Lを超えるクルマの多くは高級車の部類に入り、ジェントルな走りをするセッティングになっている。すなわち、急激にトルクが出るようなことは避けるようコントロールされ、ギア比(ファイナル)も低めの設定だ。

 なので、大排気量のクルマをフンパツして買っても、いざ走り出してみると、今まで乗っていた車と大して変わらない。それどころか、アクセルを煽っても加速しない場面が増えて「アレ?」と感じてしまうわけである。

 結局、大排気量のクルマのメリットは、ごく低い回転数で走れることによる「静粛性」がメインになる。

 

余裕のある走りとは何か

 同じ加速を得るために、排気量の小さいクルマはエンジンの回転数をあげないと走らないが、大排気量ではパワーに余裕があるので低い回転数で済む。これが、「大排気量車は、余裕のある走りができる」という言葉の中身だ。

 同じ加速を得るために、低い回転数で済むことによるメリットはやはり「静粛性」に尽きる。

 

大排気量車のパワーを味わうにはMTで乗るしかない

 排気量相応のパワーを正味で味わうには、余計な制御が介在しないMTで乗るしかない。

 ATにスポーツモードがあれば少しマシになるが、車重が重いので走りについてはあまり期待できない。

 大排気量車に限らず、ATとMT両方が用意されている車種では、MTのほうがパワフルに走れることを覚えておいて欲しい。

 

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