プラスチック、ゴムの劣化抑制に決め手はあるか~その2

前の記事で紹介した保護剤を使ってテストをしたので報告する。テストでは比較のためAオールを追加した。この商品は劣化促進や金属腐食(塗料の微細なひび割れから浸透し下地を腐食させる)が疑われており、今回の実験で白黒はっきりさせる狙いがある。
gomtest1 保護効果の確認は、例によって紫外線や風雨にさらす屋外暴露実験により行う。テストピースはアメピールゴム(無着色天然ゴム)を使い、写真のようにひねったり曲げたりして応力のかかった状態にしておく。
ゴムの劣化は、応力がかかった部分にひび割れが生じたり、表面の酸化(変色、細かい亀裂の発生など)を観察し、未処理品の状態と比較して判定する。
金属腐食は良く磨いた金属片に塗布して酸化の度合いを見る。保護剤自体が金属を腐食しないことはもちろん、乾燥後も空気中の水分を引き寄せて錆の原因にならないことも重要な条件だ。

試験結果を次の表に示す。屋外暴露した期間は5週間で、雨天が数日あった。

表1 屋外暴露試験の結果(5week)

保護剤 UVオイルA UVオイルB Aオール 303 アクリルS塗料
ひび割れ × ×
表面酸化 × ×
PH 8.6 7.3
金属腐食

gomtest2 写真は5week後の様子。左は未処理、右は303プロテクタントを塗布した物で、ひび割れ防止に明確な効果が認められる。Aオールの効果もほぼ似たような感じで、303との性能差は認められなかった。  UVオイル(日焼け止めローション)2種には効果が全く認められなかった。これらに長期的な保護効果は期待できないようだ。

gomtest4 固定されていた力を解放したところ。上から「未処理」「303プロテクタント」「Aオール」「アクリルS塗料」である。303、Aオールはひび割れ防止に効果があるとはいえ、永久変形が残っており、日光が当たっていた面は褐色に酸化している。これら保護剤の効果は確かに認められるが、「何もしないよりは若干まし」程度であり、過度な期待はできないといえる。
アクリルS塗料で塗装したものはほとんど劣化が認められない。塗膜で覆った部分がほぼ完全な保護膜として効いているようだ。この場合、保護効果は塗装自身の耐久性で決まるが、塗膜が劣化したら塗り直す事でゴムの劣化をほぼ完全に抑止できると考えられる。

未処理品は変形が少ないように見えるが、ひび割れして力が解放されてしまった結果だ(上の写真でもひび割れて縛りが緩んでいるのがわかる)。
 Aオールと303プロテクタントは頻繁に塗布を繰り返した物と、最初一度だけ塗布して後は何もしない物の2種類を比較したが、明確な差異はなかった。プラスチックに塗布したものは一雨で流失してしまうが、ゴムに対しては能書き通り素材に浸透し、一度塗布するだけで少なくとも5週間は効果が続くと見てよいようだ。

鉄に対する金属腐食は実験中でまだ答えは出ていないが、303はほぼ中性なので、どこに付着しても問題ないとみられ安心して使える。  Aオールは今回新しいボトルを購入してPHを再測定したところ、やはり表示に反してアルカリ性だった。アルカリ物質が長時間付着するとなると何らかの障害が懸念されるが、可能性の域を出ない。結局今回の実験でAオールに明確な弊害は見つからなかった。
今回の実験結果からいえばアクリルS塗料で決まりだ。さっそくクルマのゴム部に施工してみたところ問題が発覚した。べたつく仕上がりになってしまったのである。これはゴムに含まれる可塑剤が原因らしい。べたつきさえ目をつむれば有効な保護法といえそうだ。

 

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