IHで鉄のフライパンを使う

 フッ素樹脂コートのフライパンを炒め物に使うと早く劣化する。フッ素コートは熱伝導が悪く過熱させやすいため。多層コートされた高価は商品は摩耗に強くても熱に弱い。結局、何を選んでも1年程度でダメになる使い捨ての消耗品になっている。

 

窒化処理した鉄のフライパン

 窒化処理した鉄のフライパンがにわかに注目を浴びている。窒化処理は表面処理の一種でコーティングのように剥げないのはもちろん、硬度が高く錆びにくい特徴がある。これは錆びやすく手入れが面倒だった鉄のフライパンの欠点を克服する処理だ。

 

処理した鉄のフライパンとフッ素コートのフライパン

 写真左は窒化処理した鉄のフライパン 極SONS COCOpan炒め26cmとその持ち手。右はフッ素樹脂コートのフライパン28cm。

 オール金属でできたフライパンの寿命は半永久的。一生モノといっていい。

 持ち手の方は鉄にニッケルめっき。エシャ クラフトオイルなどを塗っておくと錆びずに長く使える[1]

 

 フッ素樹脂コートのフライパンは過熱させたせいで中央部が変色していて、この部分に食材がこびりつく。こんな状態で使っている人が多いのではないだろうか。熱伝導の悪いフライパンは熱くなるのが遅いから、つい火を強めて過熱させてしまう。

 

フライパンを使い分ける

 手入れの面ではフッ素樹脂コートのフライパンが勝る。過熱さえ気を付けていれば、そこそこ長持ちする。そこで強火が必要な炒め物には鉄のフライパン、それ以外の調理はフッ素樹脂コートのフライパン、というように使い分けるのがよさそうだ。

 

鉄のフライパンを買ったらすること

 

新品のフライパンの油慣らしをしている様子 新品のフライパンの油慣らしをしているところ。少量の油を入れ、弱火で煙が出るまで加熱する。

 調理では新しい油より天ぷらで使った古い油を使った方が、こびりつかない。これは揚げ物や卵から出た界面活性剤を含むため。

 

 鉄のフライパンをIHで使うと局部加熱で変形しやすいといわれるが、いきなり強火加熱しないよう気をつければ問題ない。

 写真のように持ち手が分離できるタイプでは強く握らないとフライパンを落とす危険があり(斜めにして皿に移すときが危ない)、主婦の握力だと26cmが限界。26cmは炒め物にはちょっと小さいが、揚げ物にちょうどよいサイズだ。

 

使い方のコツと手入れ

 鉄のフライパンは手入れが面倒なイメージがあるが、油を多く使う炒め物に用途を限定することで、手入れが格段に楽になる。基本的に、水洗いしてキッチンペーパーで拭いたら終わり。

鉄のフライパンでチャーハンを作っている様子

 鉄のフライパンでチャーハンを作っているところ。鉄のフライパンは油断すると焦げ付く。チャーハンではタマゴの界面活性が高まるよう十分加熱してから使うのがコツ[2][3]

 フッ素コートのフライパンはコートのダメージと引き換えに調理できてしまうが、鉄のフライパンはそうはいかない。調理のコツを学べる道具だ。

 

 

サイズの選び方

 フライパンにはいろんなサイズがあるが、IHで使う場合、持ち手一体のものは28cm、分離型は26cmがベストになる。持ち手が一体の28cmは炒め物、26cmの持ち手分離型は揚げ物にベストマッチするので、両方もっていると便利。

 IHは底面しか加熱されないためフライパンの端まで熱が伝わりにくい。そのため28cmより大きなフライパンは周辺まで熱が伝わりにくく、広さのメリットを生かせない。

 

 極ROOTS 炒め鍋28cmと、極ROOTS 厚板26cm

(2014/10/4追記)
  気に入ったので2本追加購入した。写真は極ROOTSの炒め鍋28cm、極ROOTS厚板26cm。取っ手が白木のROOTSを買って自然塗料で仕上げると自分だけのフライパンができる。炒め鍋28cmは予想通り便利。厚板の26cmは超重いが加熱ムラが出来にくい特徴がある。ハンバーグやホットケーキ、餃子など均一で綺麗な焦げ目を付けることができる。

 

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