EVなんて普及しない~充電インフラの整備は無駄

 充電ステーションがなかなか普及しなので補助金を増やしてテコ入れするという[1]。充電ステーションが全国のスタンドに設置されたらEVは普及するだろうか。消費者が聞いても「ふーん」で終わり、次に選ばれるのは燃費のよい軽自動車に違いない。

 

電池は交換式でなければならない

 電池は充電するのではなく、交換する。これはEVが普及するための最も重要な前提だ。必要なのは充電インフラではなく、交換インフラ。交換はユーザーが自分でできる形でなければならない。

 例えば、電池は1個10kg以下にして規格を統一し、どのメーカのクルマでも使えるようにする。電池はクルマ1台に10個以上積まれ、プリンタのインクカートリッジを差し替えるように交換できる。

 これなら山奥過疎村の老夫婦が経営するガソリンスタンドにも充電済みの交換電池を置くことができる。充電は1個単位でできてホームセンターにある数千円の充電器が使えるようにする。バッテリの劣化状態を目で見て分かる仕組みも必要だ。

 

電池の中古市場が形成され、劣化の度合いで価格が決まる

 電池交換が可能になると、中古電池の市場が形成されるだろう。
 例えば、ガソリンスタンドに行くと、充電済みの交換電池が並んでいる。 値段は様々で、何度も使われくたびれてきた電池は安く提供される。赤い点滅表示が出たらリサイクル(再生)にまわされる。

 この仕組みの実現には、再生リサイクル性、劣化診断表示機能、ロバスト充電機能、状態の異なる他の電池を混在してもうまく電流を取り出せる電流制御機能などの技術開発が必要だ。

 

ベタープレイスの失敗から学ぶ

 ベタープレイスは電池交換式EVを推進した先駆者だが、残念なことに失敗してしまった。この仕組みを成功させるためには、それなりの市場規模とインフラ整備が必要であり、国策で推進すべきもの。ベンチャー1社でどうにかなるものではなかった。

 

それでもEVは普及しない

 電池のエネルギー密度はどんなに頑張ってもガソリン並になれない。それに、よく電池から煙や火が出るように、エネルギー密度を高めると電池は移動体に乗せられない危険物になってしまう。

 それでも頑張って、電池交換式のEVを実用化しても、消費者に買ってもらえるとは限らない。燃費が良くて価格の安いガソリン車がいくらでもあるからだ。

 そう考えると、やっぱりEVの普及はないように思える。

 

 

ガソリンが枯渇するからEVが要るという話は本当か

 将来ガソリンは枯渇し、車両の電動化が進むというシナリオはあるだろうか。ガソリンが無くなりそうになったら、第二次大戦中、ドイツがやっていたように他の炭化水素から人工合成すればいい。

 ガソリンが枯渇して困るというケースは、まずなさそうだ。

 

実現性に乏しい水素カー(FCEV)

 FCEVにはいろいろ課題があるが、その一つに水素の貯蔵がある。水素は分子が小さいため、ボンベに詰めてもボンベの外壁(分子の隙間)から漏れ出してしまう。そこで、

 既存の燃料を改質して、水素を作って、燃料電池で電気に変えて、モータを駆動して・・

なんてことを考えている。そんなことをやるヒマがあったら素直に最初の燃料を燃やして走ったほうが良くないか。

 

○○研、○○省が出す予想やロードマップとは何か

 EVの普及予測はいろんなところで目にする。

 ○○研、○○省が出す予想やロードマップ、自動車業界の将来予測と称した高額本のほか、有料セミナーもある。

 専門家は、現在の延長から、誰が見ても妥当で違和感のない予測をつくるのが得意だ。このような予測は、EVを推進する人に都合のいい計画を作るための材料として、広く利用されている。

 ロードマップは「将来こうなったらいい」という望みに近い資料だ。

 

市場予測の数字は正規分布の中央値とは限らない

 市場予測の数字には問題がある。統計学的に扱うべきものを、単一の数値で決め打ちしている点だ。
 こういう数字は大抵、計画を推進する人に都合よく書かれていて正規分布の中央値とは限らない。橋やテーマパークの建設で見るソロバン勘定と同じだ。

 

自分の頭で考えずに周囲の流れに乗る愚

 これを「同調行動の原理」という。正しい予想をして将来勝つためは、自分の肌で感じ、自分の頭で考え判断することが大事だ。

「あの天下の○○がやっている、ウチもやらないとバスに乗り遅れる」

こいういう行動は最も間違っている。

 

充電ステーションは普及しない

 「充電ステーションを普及させよう」という行動には、「今までの投資が無駄になる」といった、推進する人の都合が透けて見える。消費者の視点がない行動には、失敗のオチしかない。

 

今世紀後半の担うエコカーは“ディーゼル”だ!?

 今世紀後半を担うエコカーは、EVではなく、FCEVでもなく、HEVでもなく、先進的なターボディーゼルエンジンを積んだ軽自動車ではないかと、私は予測している。根拠は、単純な消去法でそれしか残らないというだけ。

 今後しばらくは、EVを推進したい国と、それがイヤな自動車メーカーとの思惑によって、EVブームが何度も起きそうだ。

 

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<参考文献>
1.盛り上がり欠くEV、充電普及に温度差 SankeiBiz 2013.8.27
いくら夢や理想を語っても、充電スタンドをつくっても電気自動車は普及しない アゴラ 2013.03.11
今どき5年計画を作っているのは旧ソ連くらい? 日経ビジネスオンライン2014.5.19