キャパシタ-ハイブリッドは将来の主流になるか

何気なく購入したベストカーの8月号を読んでみたら、とあるライターがとんでもないことを書いていたので、思わずのけぞってしまった。一言で言うと、「10倍の容量を持つキャパシタが開発されそうなので、10年後はハイブリッドだらけになる」「モータースポーツでチョロQのごとくダッシュもできる」というのだ。

キャパシタの実用性を語るには対象物の電圧事情をあわせて考えなくてはならない。ハイブリッド自動車や鉄道などのモータ駆動系では出来るだけ電圧を高くしたいという要求がある。電圧が高いほど機器がコンパクトになり、効率がよくなる。たとえば現行プリウスではそのためにわざわざ昇圧回路を用いて最大500Vまで電圧を上げている。

ところが電池やキャパシタは簡単に電圧をあげられない事情がある。電池もキャパシタも、電圧を上げるためには沢山のセルを直列に繋がなくてはならない。沢山の蓄電媒体を直列につなぐと内部抵抗のバラツキが問題になって使い物にならないのである※。これが、いつまで経ってもキャパシタが電気駆動系に採用されない理由だ。
※通常、個々のバラツキを緩和するための制御回路が内蔵されている。しかし、見かけを良くしているだけで、本質的に改善できるわけではない。

キャパシタ側で10倍容量アップが出来たところで、実用化は難しい。キャパシタというのは、「容量」「内部抵抗」「体積」の3つがお互い相反する。従って、どこかを良くしたら、他の何かが犠牲になっているのと考えるのが妥当だ。たとえば、これまでに無い大容量を実現して、大きさが変わらないのであれば、「内部抵抗」が犠牲になっているだろう。

内部抵抗が高いということは、電気を出し入れするときに取られる税金が多いことを意味する。この税金は充放電の往復ビンタで取られるから痛い。
例えばキャパシタの消費税を50%と仮定すると、充電で50%引かれて、放電で50%引かれるから、25%しか残らない計算になる。

取られた税金は「熱」になってキャパシタを加熱するから、必然的に頻繁な出し入れや大電流の出し入れが制約される。モータースポーツでチョロQのごとく使うなど、まず無理といっていい。寿命の点でも不利である。キャパシタに寿命は永遠ではなく、電池に比べて長いだけである。

結局、内部抵抗の高い大容量のキャパシタは、頻繁に電気を出し入れする用途より、少量の電力を長時間で充放電させる用途(たとえば風車など)に適している。

 

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