水草に付いてしまったコケを取る方法

 水草にコケが付くと、成長が低下し、栄養の吸収が減り、栄養がコケに回る、という悪循環が始まる。いったん付いたコケを取り除くのは難しいことが多い。そこでコケの付いた水草を復活させる方法をご紹介する。

 

生き物に食べてもらう

 お勧めはヤマトヌマエビ石巻貝ミナミヌマエビ。これらはコケの予防にも役立つ。水槽に欠かせないスカベンジャー(掃除人)。

 ヤマトヌマエビは増えずに大型化するので、小型魚の水槽では注意する。小型の個体を多く使うのがコツ。

 貝類はコケを良く食べるが、石巻貝以外は水中でよく増える。一度増殖すると駆除が困難。近年鑑賞用に売られているレッドラムズホーンは、どちらかといえばスネール(厄介者)の仲間である。

 ミナミヌマエビは数が多くないと目立った効果がないが、勝手に増えて一定を数を保ち、目立たない。メダカの常温水槽ととても相性がよい。

 ヤマトヌマエビと石巻貝は低温に弱い。屋外水槽などで5℃を切る状態が長く続くと死んでしまう低温まで使えるサーモを入れて最低7℃を切らないようにする。

 

取り出して処理する

 一部分についたコケを処理するために有効。

 コケの付いた水草を取り出し、カルキ抜きした水道水を満たして冷暗所に放置する。この処理中に水槽の水換え頻度をあげて水の栄養分を下げる。

 この方法は水草よりコケの方が光に弱い性質を利用している。コケがなかかな枯れない場合は、木酢液を入れてPHを5.0に調整する。アヌビアスでは木酢液を3倍程度に薄めて葉に直接塗ることができる。

 時々処理中の水草を取り出して、葉の表面をこすってみる。コケが落ちたら処理完了。

 この方法はパールグラスグロッソなど、光量不足に弱い水草の場合使えない。

 

照明時間を制限する

 コケの付いた水草を取り出したり、薬剤を使わずにコケを退治できる。具体的には、次のように行う。

 

  1. 照明を常時OFFとし、水槽を暗い場所に設置する、あるいは光が通らないよう、水槽を遮光できるカバーで覆う。
  2. エサは2日に1度とし、エサをやる10分前に照明を点灯して少量のエサを与える。完全に食べきったのを確認して消灯する。
  3. コケは光が無ければ生きていけない。ほどなくコケが全滅したら、1/2換水を行い、照明をいつも通りの点灯時間に戻す。換水の時にプロホースを使って枯れたコケの残骸や低床に溜まった糞等を取り除く。
  4. 以後2週間は水替えの頻度をあげる。

 

 この方法は、水草よりコケの方が光量不足に弱い性質を利用している。コケが全滅するには、通常1~2週間程度かかるが、時間をかければ確実にコケはなくなる。

 パールグラスやグロッソなど光量不足に弱い水草は同時に枯れてしまうので、水槽から取り出して外で水耕栽培する必要がある。

 コケの全滅後、換水の頻度を上げるのは、枯れたコケから放出された栄養塩類を除去するため。これをやらないと、またコケがはびこってしまう。

 

オキシドールを使う

オキシドール 500ml 過酸化水素水(オキシドール)の効果は即効的。やっかいな緑色の絨毯(藍藻の一種)の一部に吹き付けると、わずか数分で爆弾でも落ちたかのような穴があく。

 水に少量の添加を続けるだけで、水中の胞子が死滅、水草に付いたコケはきれいになくなるという。その効果は、わずか数日で目に見える形で現れる。

 

 

 しかし同時に、濾過バクテリアにダメージを与えるかもしれない。魚への影響もあるだろう。こちらではまだ副作用を確認していないが、効果の強いものはリスクも大きいと考えておきたい。

 低床に緑色の絨毯ができたら、水中で何とかするのではなく、その部分をすくい出して、外で処理したほうがよい。過酸化水素水の添加は、コケ対策に行き詰まった場合の最後の手段と考えておきたい。

上記の方法で、水草が枯れてしまっても、当方は責任を負いません。あくまで、自己責任で実施してください。

 

最後に

 水槽にコケがはびこる原因に過密がある。コケ対策で苦労している人はまずここを見直すのが先決[1]だ。

 

<参考購入先>
オキシドール
コケ対策の商品 薬品で何とかなるものではありません

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