水槽内にはPHをアルカリに傾ける要因と、酸性に傾ける要因がある。水のPHはそれら複数の要因の総合結果だ。これが意に添わないからと言って、薬品で強制的に調整することに意味があるのだろうか。
PH調整のための薬品を投与すると、急激な環境変化を引き起こす。これが魚にダメージを与えたり、予期せぬ副作用が起こる可能性がある。
PHが変動する理屈を理解した上で、酸性、あるいはアルカリに傾ける要因を操作するのが正しいPH調整だ。例えば、水がアルカリに傾いている場合は、CO2の添加と光の量を多くする。すると、
(1)水草の光合成作用が活性化
(2)水草から酸素が多く発生
(3)好気性バクテリアが活性化
(4)バクテリアの酸化作用により水が酸性化
というプロセスにより酸性に傾けることが出来る。
底床や濾材についてもPH調整作用のあるものは避けた方がよいといわれるのは、このような自然のプロセスによる調整をやりにくくするほか、余計な溶出物が水槽内のバランスを崩してしまう危険があるから注意したい。
<参考購入先>
PHを計る試薬 水質管理に必須の試薬
PHメーター 維持管理の難しいPHメーター。利用頻度が高くないと勿体無いです
PH調整剤一覧 あまり役に立たないPH調整剤
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